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湯船に落ちて皮膚移植の幼児 涙なくしては見られない訓練姿

多くの国民が快方を願っている(写真はイメージ)

 携帯電話の進化、ソーシャルメディアの発達などによってニュースの質も変化している。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 秋が訪れた中国では、いま涙なしには見ることのできない一本の画像ニュースが話題となっている。

 各サイトに掲載されている写真には、全身包帯で包まれた幼児が、階段で全身を真っ赤にして泣いている姿が映し出されている。その隣には、母親のものと思われる二本の足と、やや戸惑いながらも子供を促すように伸ばされた手も写り込んでいる。

 なかには母親に抱えられている写真や、祖母と思われる女性と三人で階段を上っている写真もある。

 絵解きをすればこうなる。

「実は、男の子は広東省湛江市に住む幼児で、まだ2歳に満たない子供です。陳梓睿ちゃんという名前で、いまほとんどの中国人はこの名前を知っています。梓睿ちゃんは、およそ半年前、あやまって冷水で冷やす前の湯船に落ちてしまったのです。

 病院の搬送された梓睿ちゃんは皮膚移植をして一命はとりとめたのですが、手術により関節の動きが悪くなるという後遺症に悩まされているのです」

 と語るのは、メディア関係者だ。

 ニュース写真に添えられたキャプションには、梓睿ちゃんが毎日、訓練のために48段の階段を上っているとの説明がつけられている。

 といってもまだきちんと歩くことのできない梓睿ちゃんであるから、階段を這って登ることになる。そして途中には何度も泣いて母親に助けを求めるのだ。

 母親は心を鬼にして我が子に毎日階段を上らせている。最も人々が関心を示した画像の一つだ。

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