ライフ

秋はチャンスの家庭菜園、収穫量が変わる「土づくり」の準備

土を入れたビニール袋を密封して直射日光に当てると、土の中で繁殖した菌が死滅する(イラスト/飛鳥幸子)

 異常気象で野菜の価格が高騰し、自宅で育てて節約する人が増えている昨今。中には、野菜作りは次の春までお休み…と思っている人もいるだろうが、夏の間に野菜を育てていたコンテナで、秋からは小松菜やベビーリーフなどの葉菜、ラディッシュなどの根菜などを栽培して楽しむことができる。

 しかし、野菜作りを成功させ、収穫量を増やすためには、以下を注意してほしい。

◆連作の場合は土をリフレッシュさせる

 前シーズンに野菜を育てた土で、そのまま次の野菜を育てるのは禁物、とは園芸研究家の山田幸子さん。

「例えばキャベツの後に小松菜を作りたい場合、両方ともアブラナ科の野菜です。同じ科の植物を育てると、その科を好む病害虫が増え、また、肥料分が偏って次の小松菜がうまく育ちません。これを連作障害といい、育てる土や場所を変えなければいけません」(山田さん・以下同)

 別の種類の野菜を育てる場合でも、前の土をリフレッシュさせる必要がある。

【1】収穫を終えた野菜を根ごと引き抜いても、土の中には根や葉が残り、そのまま放置すると病害虫が増える恐れがあるので、取り除く必要がある。

「まずは庭やベランダに新聞紙を広げ、そのうえでリサイクルする土をすべてふるいにかけて。すると、古い根や葉、根切り虫などの幼虫や卵を取り除くことができます。土をふるいにかけると、病害虫のもとを取り除くだけでなく、土のかたまりがほぐれて水はけもよくなります」

【2】ふるいにかけた土は、ビニールシートなどに広げ、完全に乾燥するまで2~4日ほど天日干しにする。

「気温が高いうちは日光消毒しやすく、秋は乾燥するので今が作業のタイミングです」

【3】乾かした土をビニール袋に3分の1程度入れ、霧吹きなどで土を充分に湿らせて密封。秋ならこれを直射日光の当たるコンクリートの上に3~4週間置き、袋の中を蒸らす。

「土が70℃近くになると、たんぱく質を主成分とするバクテリアや害虫の卵は死滅します。冬になった場合は、霜と寒風にさらして死滅させることもできます」

 これらの手順を踏んだ後、市販の新しい培養土を同量ずつ混ぜ、元肥として化成肥料を追加すれば、また野菜を育てることができる。

◆復活剤を利用すれば殺菌も養分強化もできる

 これらの処理をする時間がない場合、古い土に市販の“復活材”を混ぜる手もある。

「復活材には、殺菌効果があり、腐葉土などが含まれます。腐葉土は通気性・保水性・保肥性に優れ、微生物のえさにもなり、土質が向上します。土の天日干しは不要ですが、根や葉の破片が残っているとまた病害虫が増えるので、ふるいにかける作業は行って」

 とはいえ、野菜がひどい病気になったり、病害虫がはびこった土は、再利用せず廃棄した方がよい。捨て方は自治体の指示に従って。

※女性セブン2018年10月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン