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家庭菜園、種のまき方の基本は「ばらまき」「すじまき」

家庭菜園 すじまきの手順(イラスト/飛鳥幸子)

 家庭菜園が楽しめるのは春や夏だけではなく、秋もまた家庭菜園の季節だ。家庭菜園において、絶対的に重要なのが「種まき」。しっかり収穫するための上手な種まきの方法を紹介する。

 種をまく前に、まずはプランターの上縁から2~3cmほどのところまで培養土を入れる。その後、「ハス口」の穴が細かいジョウロで水をたっぷり遣る。

「1回目はプランターの底から水が流れ出るまでたっぷり水を与えます。水が流れ出るのが収まったら、もう一度行うと、プランター内の土全体が潤います」(園芸研究家・山田幸子さん)

◆種のまき方は2つ

 いよいよ種まき。大きく分けて“ばらまき”と“すじまき”の2つの方法がある。

【ばらまき】
 ベビーリーフなど、小さいうちに収穫してしまうものに行うまき方。土の表面に重ならないように種をまいたら、上から使い古した茶こしを利用して、薄く土をかける。小松菜もベビーリーフのように小さいうちに食べるなら、この方法で。

【すじまき】
 以下の手順でまく。

【1】湿らせた土に、横にした片方の割り箸を当て、幅・深さ1cmほどの溝をつけ、1cm間隔で種を置く。
【2】よけた土を種にかける。
【3】霧吹きで土を湿らせる。

 比較的大きく育てたい小松菜や春菊などはこの方法を。

 種をまいたら、霧吹きかハス口の目の細かいジョウロで水を遣り、土表面を湿らせる。発芽するまでは1日1回程度、土の表面が乾いたら行う。この時、コップなど注ぎ口の大きい容器からバシャッと水を遣るのは禁物。

「種の上には薄く土がかかっているだけなので、勢いよく水を与えると、せっかくまいた種が流れてしまいます」(山田さん)

◆発芽までは半日陰に置く

 種をまいたら、発芽までは明るい日陰で育て、発芽したら日なたに移動させる。とはいえ、一日中、直射日光が当たる場所は避けたい。

「葉菜はやさしい日差しのもとで育てると、食感がやわらかくなると知っておいて」(山田さん)

◆種が余ったら翌年まで冷所で保管

 野菜は春・秋両方に種をまけるものがあるが、春にまいた種が余った場合、秋にもまいていいのだろうか。

「例えば小松菜には春と冬に収穫期がありますが、これは品種によって暑さに強いものと、気温が低くてもよく育つものの2種類があるのです。春にまいた種が余っても、秋にまいて年2度収穫するわけではありません」(山田さん)

 秋用の種を春にまいた場合、早く花がついてしまい、葉の育ちが阻害されるという。

「大根も同様。どの時期に種をまくタイプの品種か、パッケージに書いてあるので、確認をしてください」(種苗メーカーの「サカタのタネ」の力石まり子さん)

 開封した種はシーズン内にまくのが理想だが、余った場合は正しい方法で翌年の同じ季節まで、冷蔵庫の中で保管する。

「種は生きて呼吸しており、生命維持と発芽に必要な栄養を蓄えていますが、高温多湿になると呼吸量が増え、養分を無駄に消費してしまいます」(山田さん)

 すると、養分が足りなくなり、発芽の確率が下がってしまうのだ。寒暖の激しい場所に置くと、発芽したり虫に食われたりしてしまうこともある。

※女性セブン2018年10月11日号

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