新馬戦とはいえ、競馬記者たちは牧場にいるころから評判を集め、各陣営から仕上がり状態や手応えを取材し、調教をじっくり見たうえで予想の印を打っている。それでも人気通りにいかないのが競馬だ。このレースは勝った(8)ミナレットが14番人気、2着は12番人気(6)ヘイハチピカチャンと10番人気(14)ファイヤーヒースが同着で(8)→(6)→(14)が2983万、(8)→(14)→(6)もランキング9位の1491万円。両方取った人もいたかもしれない。三連複も95万円、馬単もそれぞれ20万円以上になっている。
では、上位3頭がたまたまこの時だけ激走したのかというと、それも違う。勝ったミナレットは、その後もコツコツと走り続け、一度も1番人気に推されたことがなかったが、4歳暮れにオープン勝ち。5歳春にGIヴィクトリアマイルに出走し、18番人気だったが3着に入った。このときの三連単は2070万5810円で、払戻金ランキングの5位に入っている。2着同着のヘイハチピカチャンは中央でこそ未勝利に終わったが、地方へ移籍して計10勝をあげているし、もう1頭のファイヤーヒースは3戦目で勝ち上がっている。
高配当になるのは人気上位馬が揃って敗れたケースが多いが、1、2着が人気で、馬連や馬単ではたいした払い戻しでなくても、3着が人気薄というだけで10万馬券になってしまうこともザラだ。今年のダービーも1着5番人気、2着4番人気で馬連は7950円だったが、3着に16番人気馬が入って三連複で52万、三連単で285万にもなったのは記憶に新しいところだ。