貂々:宝塚では相手役がずうっと一緒にやっていた咲妃みゆさんで、揺るぎない信頼関係があったと思うんですけど、今回の相手役は初共演となる上白石萌歌さんですよね。
早霧:彼女、ドラマに忙しくて、まだあまり稽古場に来てなくて、これからなんですけど(笑い)。今日の対談が掲載される頃には、ばっちり息が合っていると思います。
貂々:そうなんですね。きっと話題になった『義母と娘のブルース』ですよね。
早霧:ゆうみちゃん(咲妃さんの愛称)とはほんとに信頼し合って、切磋琢磨して、私の中では対等にやってこられた気がするんですけど、今回は、そういうわけにはいかないでしょうから。彼女は若さで思いきりやってくれると思うので、私はどんな球が飛んできても、受けようという気持ちでやることが大切なんじゃないかと思ってます(笑い)。
貂々:それも新感覚ですね(笑い)。
早霧:宝塚と違って、どうしても皆さん、いろんなお仕事を掛け持ちしながら舞台に取り組むので、まだ慣れなくて、ちょっともどかしさを感じていますね。私はもっと集中して、うわあってやりたいのに、松岡さんもお忙しくて(笑い)。
貂々:宝塚で『るろうに剣心』を拝見したとき、心の傷を秘めて、陰で人を助けているという人間味がとても感じられて、すごくかっこよかったです。
早霧:人を斬らずして、人を救うという剣を持って、少しでも多くの人を幸せにしたいという地道な人助けに生きていく、そんな志を出せたらいいなと思ったんです。幕末に人を殺した汚れを背負い、傷を抱えて生きている弱さと、今は笑顔で誰にでもやさしく接する強さと、両方を持っていることが、主人公・剣心の魅力なんじゃないかなと思うんです。
※女性セブン2018年10月18日号