医師が処方し、薬剤師が「おくすり手帳」で管理するので、「医薬品」ののみ合わせについては、徹底的なケアが行き届いている。しかし、サプリメントになると話は違う。無意識にのんだ“その2粒”が効果を打ち消し合ったり、深刻な副作用を招いているかもしれないのだ。
市販薬とサプリメントにも、危険な「のみ合わせ」の例がある。市販の解熱鎮痛薬などに含まれるアスピリンをのんだときは、記憶力改善などを謳う『イチョウ葉エキス』のサプリメントは摂ってはいけない。
いずれも血管が詰まるのを防ぐ働きがあるため、出血が止まらなくなる恐れがある。切り傷などの外傷だけでなく、内臓から出血する場合も考えられるという。
また、虫歯予防に効果があるガムなどに含まれるキシリトールは、その一方で便を軟らかくする作用も併せ持つ。糖尿病治療薬や高アンモニア血症治療薬にも同じ作用があるため、同時に摂取すれば下痢になる恐れがある。
薬と同じ働きをするサプリメントをのんでしまうことで薬効を強めすぎる場合だけでなく、真逆の効果を持つ薬とののみ合わせにより、薬効を打ち消してしまうケースもある。東京大学名誉教授で食の安全・安心財団理事長の唐木英明さんはこう話す。
「カルシウムの骨への沈着を促す働きがあるとされ、骨粗鬆症予防に摂る人がいる『ビタミンK』や、美容にいいという謳い文句で売られる『コエンザイムQ10』などは血液凝固を妨げる働きがある。抗血栓薬を服用している人が併用すると、薬の効果が弱くなってしまうのです」
※女性セブン2018年10月25日号