ライフ

サプリのNGのみ合わせ セントジョーンズワートと薬の併用注意

薬との飲み合わせNGのハーブも(イメージ写真/アフロ)

 医師が処方し、薬剤師が「おくすり手帳」で管理するので、「医薬品」ののみ合わせについては、徹底的なケアが行き届いている。しかし、サプリメントになると話は違う。無意識にのんだ“その2粒”が効果を打ち消し合ったり、深刻な副作用を招いているかもしれないのだ。

 特に女性が気をつけたいのは「うつ病に効く」と人気を集める『セントジョーンズワート』というサプリメントだ。『病気になるサプリ 危険な健康食品』(幻冬舎新書)の著書がある、法政大学教職課程センター教授の左巻健男さんが解説する。

「欧米では『悪魔を追い払うハーブ』といわれ、うつ状態を和らげる効き目があるとされます。しかしこのサプリメントは非常に多くの薬とののみ合わせの問題が指摘されています。

 たとえば、ぜんそく薬のテオフィリン、精神安定剤のアルプラゾラムなどは併用によって薬効が弱まることがわかっています」

 薬効を弱めるだけでなく、のみ合わせによっては強めてしまうケースもある。 

「逆に、偏頭痛治療薬のトリプタンやうつ病の薬と一緒に使ってしまえば、脳内物質のセロトニンが増えすぎて効果が強くなり、強い眠気や吐き気などの副作用を招くとされます」(左巻さん)

 それだけではない。いわゆるピル(経口避妊薬)をのんでいる女性こそ、セントジョーンズワートに最も注意しなければならない対象だ。

「ピルの避妊効果を低下させ、妊娠してしまう例も報告されています。特にピルは若い女性が知識もないままに使っている場合も多く、併用するサプリメントを買うときには医療従事者の説明を受ける機会もない。望まぬ妊娠を防ぐためにも、のみ合わせに関する正しい知識を得ることが求められています」(在米医療ジャーナリスト)

 処方されている薬がある人は、どう健康食品とつきあっていけばいいのだろう。

「中には“サプリメントはナチュラルなものだから”という思い込みから、摂取していることを主治医に伝えない人もいるようですが、効果のあるサプリメントは薬と同じようなものだと考えねばなりません。

 処方されている薬の量や種類が増えれば増えるほど、副作用やリスクもまた増えます。これらは主治医にきちんと伝えましょう」(薬学博士で医療評論家の生田哲さん)

 どういったサプリメントを摂っているかを忘れてしまいがちなら、今や一般的となった「おくすり手帳」に書いたり、それも面倒ならパッケージを貼り付けてしまおう。医師や薬剤師と情報を共有しておくことはいざというときに役立つはずだ。また、はじめてのむサプリメントを購入する際はコンビニや通販などはなるべく避け、薬剤師にのみ合わせを相談できる薬局を選ぶことも有効だ。

 サプリメントを摂る際は薬の服用とは3~4時間ほど間をあけて摂ることも、有効な自衛策といえる。

 健康のために摂るサプリメントで健康を損なうことのないよう気をつけたい。

※女性セブン2018年10月25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン