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民法改正で生前贈与と遺留も激変 異議申し立て側が不利に

生前贈与ブームにも密接に関係

 今年7月に相続に関する民法の規定を見直す改正案が成立、来年1月以降に順次、施行されていく改正民法によって、相続の常識が大きく変わる。

 その変更点の一つは、最近の「生前贈与」ブームと密接に関わってくる。2015年の相続税の基礎控除の減額は、支払う対象者の拡大と、納税額の増加につながった。そのため、節税の手段として「生前贈与」に注目が集まっている。相続コーディネーターで夢相続代表・曽根恵子氏はいう。

「手軽にできるのが贈与なので、年間110万円まで非課税になる特例措置も利用しつつ、学費の贈与、結婚資金の贈与などをする人が増え、財産を前倒しして次世代に移転する動きが加速しています。孫の教育資金贈与なども定着しつつあり、この風潮はしばらく続くでしょう」

 居住用の不動産を配偶者に贈与する場合、2000万円までなら非課税という配偶者控除もある。

 ここでトラブルになりがちなのは、特定の相続人だけに偏ってせっせと財産を生前贈与していた人が亡くなったケースだ。

 仮に、相続人が子供2人の人が、2000万円の現金を遺して亡くなったとする。全額を兄に相続させるという遺言があった場合、弟が遺留分として請求できるのは法定相続分1000万円の半分の500万円……とは限らないのだ。遺留分の計算には、それ以前の贈与も含まれる。

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