もちろん、高校生たちも大人たちに感謝されることで、自信がついた。もっと何かできないかと考え、避難所で暮らす小中学生の勉強をみたり、遊び相手になったりし始めたのだ。
これに感動したライオン基金は、「みんなのライオンカフェ」として、学用品を寄付するなど、高校生たちの活動を支援することにした。一日2時間週3日。小中学生たちも高校生のお兄さん、お姉さんたちと交流しながら、次第に日常を取りもどしていくことになった。
ちなみに、「ライオンカフェ」というのは、西日本豪雨が発生する前に、ぼくが提案したものだ。被災地に、地元の人やボランティアがほっと一息つけるカフェがあると、気持ちの通い合った支援ができる、と考えたからだ。総社市の高校生による「ライオンカフェ」はその第一号となった。
●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。近著に、『人間の値打ち』『忖度バカ』。
a※週刊ポスト2018年11月9日号