ライフ

5年生存率9%の膵臓がん 超音波内視鏡で早期発見も可能

東京医科大学病院消化器内科主任教授の糸井隆夫医師

 膵臓は、胃の後ろに位置する長さ20センチほどの細長い臓器だ。ここにできる膵臓がんは自覚症状が出にくいうえ、数あるがんの中で最も進行が早い。見つかった時は末期のケースが多いため、「サイレントキラー」とも呼ばれる。

 5年生存率は、2センチ以下で発見されたI期で41%、全期(I~IV期)では9%。大腸がん(年間死亡者数1位)のI期98%。全期76%と比べても、その恐さが際立つ。

 年間3万人以上が亡くなる膵臓がん治療の光明となる検査が、「超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)」だ。内視鏡の世界的な権威である東京医科大学病院消化器内科主任教授の糸井隆夫医師が指摘する。

「患者の口から入れた超音波内視鏡を胃まで進め、そこから膵臓に向けて超音波を当てて病変を探します。疑わしいものがあれば内視鏡の先端から針を出して細胞を採取し、それが『がん細胞』かどうか検査を行ないます。体外から行なう腹部エコーより近くから膵臓全体を見られるため、従来は2~3センチないと発見できなかった腫瘍が5ミリほどの段階で見つけられます」

 膵臓がんは早期発見でも現状では生存率が低いが、発見がさらに早まれば完治の可能性はより高くなる。

 EUS-FNAは10年から保険適用となり、検査費用は3割負担で4320円。所要時間は30分~1時間程度だ。

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン