「ゾフルーザは細胞内の遺伝子レベルで作用してウイルスの増殖を抑えます。抗ウイルス効果が高く、体内からウイルスが排出される時間が短いことが明らかになっています」(同前)
その即効性ゆえに服用回数が少なくて済むことも特徴の一つだ。タミフルは1日に2錠、5日間にわたって飲み続ける必要があるが、ゾフルーザは20mgの錠剤を1回2錠飲むだけで、その後の服用は必要ない。飲み忘れの可能性も減らせる。
昨シーズン最も処方されたインフルエンザ治療薬であるイナビルは、服用は一度でいいが、吸入タイプのため向かない患者もいる。
「パウダー状の薬を吸い込むタイプの薬は、吸引力の弱い高齢者には適していないかもしれません」(池袋大谷クリニック院長の大谷義夫氏)
ゾフルーザは近い将来、予防薬となる可能性もある。
「一度服用すると、薬の血中濃度が4日ほど維持されるため、細胞内でウイルス増殖を抑制します。ゾフルーザは予防薬としても臨床試験中で、来年中の申請を目指します」(前出・塩野義製薬広報部)
医師の処方が必要となるゾフルーザの値段は、一般的な成人が服用する20mg2錠で4789円(3割負担で1437円)。タミフル(816円)やリレンザ(883円)より数百円高い。
※週刊ポスト2018年11月16日号