異常行動については、薬ではなくインフルエンザ自体による脳症や髄膜炎が原因との指摘もある。今後の医学的検証を待ちたい。昨シーズン、発売直後のゾフルーザを服用した患者はこう振り返る。
「高熱と咳が出たので病院を受診したら、A型インフルエンザと診断されました。以前に吸入タイプの薬を上手に飲めなかったことを医師に告げると『こちらにしてみましょう』とゾフルーザを処方された。2錠を1回飲むだけで十分といわれて半信半疑でしたが、飲んでみると翌日には熱が引きました」(70代男性)
大谷氏は、ゾフルーザを選んだほうがいいかは、人によって異なるとも付け加える。
「年を取ると吸引力が落ちるだけでなく、薬の管理も難しくなるため、高齢者には1回の服用で簡単に飲めるゾフルーザが適しています。今後は顆粒タイプも発売となる予定で、さらに飲みやすくなるはずです。
ただし、胃腸が弱って薬を飲んでも吐いてしまう人は、吸入タイプのほうが適している。妊婦の方への投与については安全性が確立していないことを踏まえておく必要があります」
新しい薬の特徴をよく知ったうえで、本格的な流行シーズンに備えたい。
※週刊ポスト2018年11月16日号