手軽に扱える市販薬同士にも、注意すべき組み合わせは数多く存在する。
「例えば、風邪の症状があったとします。『総合風邪薬』を服用しても咳が治まらず、併せて『咳止め』も飲んだ。その場合、多くの総合風邪薬に含まれるジヒドロコデインリン酸塩といった咳止めの成分を二重に飲んでしまうことになり、異常な喉の渇きを覚えたりするリスクがあります」(同前)
同様に、「風邪薬」の服用後も熱っぽさが抜けず、「解熱鎮痛剤」を飲んだ場合には、胃が荒れる副作用がある解熱鎮痛成分を二重に服用したことになり、副作用が強く出るケースがあるという。
「この時期は忘年会や新年会などお酒の機会が増えます。『胃腸薬』を重宝する人も多いと思いますが、胃腸薬に含まれることがあるブチルスコポラミンという成分には、のどが渇く副作用があります。
一方、暖房器具を使って閉め切った室内で過ごすことの増えるこれからの季節は、ハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎を訴える人も多くなる。『鼻炎薬』の多くには、セチリジンやフェキソフェナジンといった抗ヒスタミン薬の成分が含有されることが多く、こちらも副作用に喉の渇きがあり、重複する。水が飲みたくなる程度ならいいでしょうが、ひどい場合は声が出なくなるほどの喉の荒れといった症状が出る可能性が存在しています」(同前)
この抗ヒスタミン薬は、眠気の副作用が出やすい。また、「酔い止め薬」の一部にもこの抗ヒスタミン薬を含むものがある。
「2つを同時に飲むと、眠気の副作用がより強く出てしまうリスクがある。作業や移動のなかで、思わぬケガにつながる事故に遭うことも考えられます」(同前)
※週刊ポスト2018年11月30日号