◆世界的に見ると重要性高まるプロ経営者

 その中で、環境の変化に適応するために、プロ経営者を登用する企業が増えてきた。それは、従来の企業経営の発想を補完・改善する取り組みといえる。

 プロ経営者の多くは、コンサルティング・ファームでの事業戦略の立案に従事したり、外資系企業で成果を上げるなどしてきた経験を持つ者が多い。結果的に見ると、彼らの多くが、短期間での成果実現を重視していると考えられる。わが国の企業文化が“マラソン”だとすると、プロ経営者の発想は1年間に100メートル走を全力で何本走るかに似ている。

 ただ、企業文化とプロ経営者の発想は、大きく異なる。そのため、プロ経営者を登用してみたものの、組織の士気が高まらなかったり、プロジェクトの評価や事業戦略を立案する際の時間軸などが異なり、意見がかみ合わないというケースは少なくないだろう。

 また、リクシルやライザップのように創業家(者)の影響が大きく、その考えを支持する幹部が多いと、プロ経営者は孤立しがちだ。そうなると、プロ経営者の判断が正しかったとしても、組織がその考えを受け入れることは難しくなる。それは、わが国に限ったことではない。

 プロ経営者をサーチする市場が発達してきた米国などに比べ、わが国におけるプロ経営者の登用はまだ初期段階にある。その意味で、現在は過渡期だ。プロ経営者の登用の是非を論じることができるだけの、十分なケースがあるとも言いづらい。

 IT技術などの普及に伴い、経済環境の変化のスピードは加速化している。成長を目指すために経営の専門家の意見を取り入れ、新しい取り組みを進めることの重要性はますます高まるだろう。

関連記事

トピックス

事件に巻き込まれた竹内朋香さん(27)の夫が取材に思いを明かした
【独自】「死んだら終わりなんだよ!」「妻が殺される理由なんてない」“両手ナイフ男”に襲われたガールズバー店長・竹内朋香さんの夫が怒りの告白「容疑者と飲んだこともあるよ」
NEWSポストセブン
4月は甲斐拓也(左)を評価していた阿部慎之助監督だが…
《巨人・阿部監督を悩ませる正捕手問題》15億円で獲得した甲斐拓也の出番減少、投手陣は相次いで他の捕手への絶賛 達川光男氏は「甲斐は繊細なんですよね」と現状分析
週刊ポスト
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト