出棺を前に、美紀さんは葬儀場の外に集まった秀樹のファンにも挨拶をしようと心に決める。そして庭に出て、秀樹に最後のお別れをしに来た人々の波を目にする。その数、1万人以上。
美紀さんはこのとき、夫・木本龍雄(本名)が、西城秀樹としてどれほど多くの人に愛されていたのかを、改めて知った。秀樹の亡骸は彼が「いちばん好きな曲」と明かす『ブルースカイ ブルー』が流れるなか、葬儀場を後にした。
秀樹の死から半年。美紀さんが近況を教えてくれた。
「いちばんのパパっ子だった長女の莉子は友達の支えもあって、明るさを取り戻しています。長男の慎之介は秀樹さんが応援してくれたサッカーの道を邁進しています。次男の悠天は、なんと秀樹さんのお墓のデザインを考えているんです。私はというと…最近、ようやく昔のアルバムを眺められるようになりました。“パパが天国からいつも見守ってくれている”今、家族はそう思って日々を過ごしています」
秀樹と旧知の浅田美代子(62才)は、美紀さんの今回の著書にこんな一文を寄せている。
《知らなかった。
次から次へと襲ってくる病魔と闘っていた日々を…
幸福とはどれだけ濃密にその時間を一緒に過ごせたかだと思う。
ヒデキは本当の幸福を感じながら旅立ったのでしょう。なんてステキな家族なんだろう。
美紀さん ヒデキに
幸福をありがとう。》
(文中、敬称略)
※女性セブン2018年11月29日・12月6日号