愛子先生が、「よれよれしてるのよ、私」っておっしゃるのは、しっかりしたところばかり見せないで、ということですよね。だから、時にはこけつまろびつしつつ、「でもなにさ」という、メリハリのある感じを出せたらと思います。

 先生の前へ前へと向かう力って本当にすごいんですよね。その先生から、「佳子さん、あなたは私どころじゃない、本当に強い人ね」って言っていただいたんですけど、佐藤愛子先生お墨付きの「強い人」って、もう大変なことです。でも、自分でも、私は愛子先生の子供なんじゃないかって思うくらい、日に日に近づいている気がします(笑い)。

 先生の生き方は私のあこがれですね。愛子先生が「ガリバー旅行記」のガリバーだとしたら、私は小人になるつもりで、舞台の上で先生の人生を生きてみたいと思っています。

 私、この10月に喜寿を迎えました。いろんなことがあって、追いつめられてもいますし、病気もして、「喜寿。何がめでたい」という、先生と同じ心境です。とてもとても、めでたいなんて言っていられない。

 それでもね、こんなふうに思うんです。いろんなことを乗り越えて私の「いま」がある。この先の私がきっと、「いま」の私を支える。愛子先生から学んだ、そういう生き方が私自身の支えになっています。それだから、生きていられる。命ある限り、ね。

◇朗読劇『九十歳。何がめでたい』開催情報

・11月30日、12月1日=明治座 ・12月2日=富山県民会館・
・12月13日=グランシップ中ホール・大地 ・12月17日=新歌舞伎座 ・12月20日=ホクト文化ホール ・12月22日=刈谷市総合文化センター大ホール ・12月24日=やまぎんホール

※女性セブン2018年11月29日・12月6日号

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