◆「指定校」が広がる

 学区撤廃により高学力層が特定の学校に集中するようになったことは先のとおりですが、これをより制度的に進めたのが「指定校」です。

 公立というのは建前としてみな平等であるという前提で施策が行われてきましたが、新自由主義の考えが社会に広がり、国民の間に競争が当たり前で、差をつけることに抵抗感がなくなってきたことを背景として、公立高校に「指定校」が生まれています。

 これは、行政のほうで、特定の学校を大学進学に力を入れる「進学重点校」として指定するというもの。東京都の「進学指導重点校」は有名です。あまり知られていませんが、他県でも似たような指定があるので紹介しましょう。これもいろいろ変遷がありますが、現状のものを紹介します。

【東京都】
・進学指導重点校/日比谷、戸山、西、八王子東、青山、立川、国立
・進学指導特別推進校/小山台、駒場、新宿、町田、国分寺、国際、小松川
・進学指導推進校/三田、豊多摩、竹早、北園、墨田川、城東、武蔵野北、小金井北、江北、江戸川、日野台、調布北、多摩科学技術

 東京都は学校数が多いので、このように3つのレベルがあります(年度により昇段もあります)。こうした指定校は教員を公募できる(意欲のある教員を集められる)、予算がより多く配分されるなど、優遇されています。

【神奈川県】
・学力向上進学重点校/横浜翠嵐、柏陽、湘南、厚木

 これまでは年々増えて20校ほどが指定されていましたが、絞り込みが行われました。

【千葉県】
・進学指導重点校/木更津、佐原、千葉東、長生、県船橋、安房、佐倉、成東、匝瑳、県柏

 各学区から1校というかたちで、県全域に指定校があることが特徴です。

【埼玉県】
・骨太のリーダーを育成する高校生のための埼玉版リベラルアーツ事業/県浦和、浦和第一女子、浦和西、大宮、春日部、川越、川越女子、熊谷、熊谷女子、不動岡、越谷北、蕨

 以前は「進学重点校」的な名称でしたが、全校が何らかの指定を受けており、伝統校のグループはこうした名称でくくられています。

 以上は全体的な学力による指定ですが、公立も私立のような特色ある高校づくりを進めています。国のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)、SGH(スーパーグローバルハイスクール)の県版のような指定は各都県ともありますが、ここでは際立った一例を紹介しましょう。

【東京都】
・医学部進学チーム/戸山
【千葉県】
・医歯薬コース/東葛飾

 このように今では公立も私立のような特色化、個性化を図っているのです。

関連記事

トピックス

公用車が起こした死亡事故の後部座席に高市早苗氏の側近官僚が乗っていた可能性(時事通信/共同通信)
《高市早苗氏ショック》「大物官僚2名」がグシャグシャの公用車の中に…運転手が信号無視で死亡事故起こす、内閣府は「担当者が出払っている」
NEWSポストセブン
デビット・ベッカムと妻のヴィクトリア(時事通信フォト)
〈泥沼ベッカム家の絶縁騒動〉「私は嫌というほど知っている」デビット・ベッカムの“疑惑の不倫相手”が参戦、妻ヴィクトリアは“騒動スルー”でスパイス・ガールズを祝福
NEWSポストセブン
元旦にIZAMとの離婚を発表した吉岡美穂(時事通信フォト)
《やっぱり女性としてみてもらいたい…》吉岡美穂とIZAM、SNSから消えていた指輪と夫の写真「髪をバッサリ切ってボブヘアに」見受けられていた離婚の兆候
NEWSポストセブン
殺人の疑いで逮捕された大内拓実容疑者(28)。ネイリストの小松本遥さんをストーカーしていた可能性も浮上している(本人SNSより)
「“推しの子”を見つけて通うタイプ」「キャバクラの女の子に頻繁に連絡」飲食店で出会い交際、破局の果てにストーカー化…大内拓実容疑者(28)の“夜の顔”《水戸市・ネイリスト女性刺殺事件》
NEWSポストセブン
山上徹也被告が鈴木エイト氏に明かした肉声とは
【独自】「文書が先に出ていたら…」山上徹也被告が“判決直前”、鈴木エイト氏に語っていた「統一教会文書」と「高市側近」への思い
NEWSポストセブン
稀代のコメディアン・志村けん
《志村けんさんの3億円豪邸跡地》閑静な住宅街に「カン、カン」と音が…急ピッチで工事進める建設会社は“約9000万円で売り出し中”
NEWSポストセブン
政界を引退する意向を表明した菅義偉氏(時事通信フォト)
〈もう反応がほとんどない…〉政界引退の菅義偉元首相、接待疑惑の“ロン毛”長男ではなく「かばん持ち」から始めた叩き上げの秘書が後継指名された理由
NEWSポストセブン
6年ぶりに相撲の観戦をした愛子さま(2026年1月18日、撮影/JMPA)
愛子さま、6年ぶりの相撲観戦で好角家の本領を発揮 星取表に勝敗を書き込み八角理事長にたびたび質問 結びの一番後は上位力士と懇談、“推し”はウクライナ出身の安青錦か 
女性セブン
33歳という若さで亡くなった韓国人女性インフルエンサー、ビョン・アヨンさん(Instagramより)
「何かを注射されたのでは」「発見時に下着が逆向きで…」カンボジアで起きた韓国人美女インフルエンサー殺害・死体遺棄事件【3年間も未解決の“闇”】
NEWSポストセブン
フリースタイルスキー界のスター、アイリーン・グー選手(時事通信フォト)
〈完璧すぎる…〉雪の女王が「ビキニ一枚写真投稿」で話題に 22歳の谷愛凌選手、ミラノ冬季五輪へ スキー×学業×モデル“三刀流”の現在地
NEWSポストセブン
中国出身の女性インフルエンサー・Umiさん(TikTokより)
「400人以上が行方不明に」中国人美女(20)が変わり果てた姿で発見…韓国にも忍びよる“カンボジアの闇” インフルエンサーが発信していた“SOS”
NEWSポストセブン
茨城県水戸市のアパートでネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された事件で1月21日、元交際相手の大内拓実容疑者(28)が逮捕された(知人提供)
《水戸市ネイリスト刺殺》「ぞろぞろ警察がきて朝から晩まで…」元交際相手の大内拓実容疑者(28)“逮捕前夜” 近隣住民の知人は「ヤンチャな子が集まってた」と証言
NEWSポストセブン