芸能

立川志らくにしか表現できないエンターテインメントの世界

立川志らくは何がスゴい?

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、「落語」と「独り語り」と「一人芝居」を総合した独自の新作落語を生み出している立川志らくにしか表現できないエンターテインメントの世界について、お届けする。

 * * *
 上下を切って人物を演じる「落語」、演者が観客に語りかける「独り語り」、そして「一人芝居」。これらを総合した独自の新作落語を立川志らくが生み出している。昨年から始まった「志らく独り会」はこの新たなスタイルを追究する場で、第1回は昨年11月に表参道GROUNDで3日間行なわれ、前半に『芝浜』、後半に新作『不幸の家族』が演じられた。『不幸の家族』は志らくが主宰する劇団「下町ダニーローズ」が2016年に初演、2017年に再演した同名作品をベースにしたものだった。

 今年の第2回は10月18日・19日に新宿・紀伊國屋サザンシアターで開かれ、僕は初日を観た。前半はシネマ落語『天国から来たチャンピオン』。シネマ落語は名作映画を江戸落語に翻案するもので、志らくの専売特許。過去70席ほど創作している。映画の『天国から~』はアメフトの選手が神様の手違いで死んでしまい、他人の身体に入り込んで生き返るという物語で、志らくはこれを江戸時代の花火職人の噺に作り替えた。

 シネマ落語は古典数席の後、その後日談として演じられるのが通例だが、『天国から~』は古典の前振り抜きで成立する人情噺。2004年7月によみうりホールで開催された談志一門会で談春の後に高座に上がった志らくが談志の目の前でこれを演じたほどの自信作だ。花火職人辰吉と長屋の娘お玉の純愛を描くこの作品には、当時『たまや』という演題が用いられることもあった。

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン