ランキングを分析すると、企業トップは3種類に分けられることがわかる。1つ目は、平井氏や西川氏のように、長年その会社に属し、出世を重ねてきた「叩き上げ」タイプだ。
国際基督教大学卒業後にCBS・ソニー(後のソニー・ミュージックエンタテインメント)に入社した平井氏は、北米でのゲーム機発売の業務に従事したこともある。西川氏も東京大学卒業後に日産に入社し、原材料や部品を調達する部署でキャリアを積み、それぞれ出世の階段をあがった。
2つ目は、外部から招聘される「プロ経営者」。様々な会社で経営を担った経験があり、不振に陥る会社の再建を託される場合もある。まさにゴーン氏のような存在だ。
そして3つ目が、孫氏や豊田章男・トヨタ自動車社長(62)のように、会社を立ち上げたり、創業一族であったりするケースだ。
日産では、ゴーン容疑者と、同時に逮捕されたグレッグ・ケリー容疑者(62)を含め、9人の取締役がいた。西川氏ら叩き上げが3人に対し、仏ルノーからのプロ経営者はゴーン氏含め2人。北米日産出身ながら、ケリー容疑者はゴーン容疑者の右腕を担っていた。残り3人は、社外取締役という構成だ。
◆“異分子”は複雑な感情を抱かれやすい
旧第一勧銀で支店長まで務め、2010年に経営破綻した旧日本振興銀行で「プロ経営者」の社長として破綻処理に当たった経験を持つ作家の江上剛氏は、複雑さを増す取締役の人員構成の難しさをこう指摘する。