「前提として、経営をリードし、幹部の人選にも権限を持つ“代表取締役”という肩書きのトップの力は圧倒的です。それは、叩き上げでもプロ経営者であっても、創業者であっても変わりません。
ただ、プロ経営者が外部からの“異分子”である実態は否定できません。しがらみがないので、大胆な改革やリストラといった決断も容易です。得てしてマスコミにもて囃されがちなので、叩き上げ組からは、複雑な感情を抱かれやすい」
豪腕で日産を復活させたゴーン容疑者は、早々に役割を終え、次の“戦地”に向かうべきだったのかもしれない。
「プロ経営者は短期で会社の経営を立て直したり、伸ばしたりした後は、さっさと辞めるというのが正しい姿といえます。ゴーン氏は日産に長く居過ぎたんでしょう。
また、特に外国人のプロ経営者は報酬をグローバルスタンダードに合わせたがる。結果と責任が直結している以上、報酬にこだわるのは仕方ないことですが、社内外にマイナスの印象を与えてしまうこともある」(同前)
ゴーン容疑者は、日産に加え、三菱自動車とルノーからも報酬を受け取っていた。総額は19億円ほどになる。
※週刊ポスト2018年12月14日号