芸能

春風亭一之輔 五夜連続のネタ下ろし最大の収穫は?

春風亭一之輔の新ネタは何がスゴい?

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、いま最もチケットがとりづらい噺家のひとり、春風亭一之輔の5日連続独演会について、お届けする。

 * * *
 10月23日から27日まで5日連続で開催された春風亭一之輔独演会「落語一之輔五夜」全公演を観た。2014年の「一夜」から毎年「二夜」「三夜」「四夜」と一夜ずつ増やしてきたこの公演、毎夜の大ネタ初演が目玉で、今回は『ねずみ』『付き馬』『帯久』『意地くらべ』『中村仲蔵』の5席をネタ下ろしした(一之輔は毎夜その他に2席ずつ演じている)。

 第一夜は左甚五郎の名人譚『ねずみ』。元は向かいの大きな旅籠「虎屋」の主人だった卯兵衛が、事故に巻き込まれて腰が立たなくなり、後妻と番頭に店を乗っ取られて……という「ねずみ屋」主人の身の上話は通常本人の口から語られるが、一之輔は卯兵衛の友人が甚五郎に語って聞かせる。これは三遊亭兼好の演出で、自分の境遇を自分で語る押しつけがましさを解消する見事な発想だ。一之輔は「『ねずみ』をやるならあれしかない」と考え、兼好に教えてもらったのだという。

 第二夜の『付き馬』は、男を登楼させた若い衆ではなく別の若い衆が付いて行く。これは大師匠である五代目春風亭柳朝の型で、一之輔は全編にわたって柳朝演出を踏襲している。大門を出て若い衆を連れ回す男の様子は「調子がいい」というより有無を言わせぬ強引さが特徴的。一之輔らしい豪快な『付き馬』だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《“七三分け”白髪の石橋貴明が動き始めた》鈴木保奈美「私がお仕事をしてこられたのは…」“再ブレイクと闘病中”元夫婦の距離感
NEWSポストセブン
波瑠と高杉真宙の仲睦まじいツーショット
《波瑠がメガネと白セーター姿で高杉真宙にピッタリ寄り添い…》「思い出深い1年でした」新婚ホヤホヤの2人は“お揃いのデニムパンツ”で笑顔の神対応
NEWSポストセブン
『激走戦隊カーレンジャー』でピンクレーサー・八神洋子役を演じ、高い人気を得た来栖あつこさん
《スーパー戦隊50年の歴史に幕》「時代に合ったヒーローがいればいい」来栖あつこが明かすイエローとの永遠の別れ、『激走戦隊カーレンジャー』ピンクレーサー役を熱演
NEWSポストセブン
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
《識者が“皇族の喫煙事情”に言及》「普段の生活でタバコを吸われる場合は…」秋篠宮さまの“車内モクモク”動画に飛び交う疑問
NEWSポストセブン
小室さん眞子さんのNY生活を支える人物が外務大臣表彰
《小室眞子さん“美術の仕事”の夢が再燃》元プリンセスの立場を生かせる部署も…“超ホワイト”なメトロポリタン美術館就職への道
NEWSポストセブン
今年成年式を終えられた悠仁さま(2025年9月、東京・港区。撮影/JMPA) 
《自らモップがけも…》悠仁さまが筑波大バドミントンサークルで「特別扱いされない」実情 「ひっさー」と呼ばれる“フラットな関係”
週刊ポスト
結婚を発表した長澤まさみ(時事通信フォト)
《トップ女優・長澤まさみの結婚相手は斎藤工と旧知の仲で…》インスタ全削除の“意味深タイミング”
NEWSポストセブン
長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「クマが人里に降りてくるのは必然」「農業は野生動物に対する壮大な餌付け」 知床・ロシアでヒグマを撮った動物写真家が語る “現代の人間に欠けている自然観”
NEWSポストセブン
11人家族の宮前家
《子ども9人“大家族のパン屋さん”》「店員さんが注文を覚えきれなくて(笑)」11人家族のインフレ“金銭事情”と、大人数子育てで培ったこと「マニュアル本は役に立たない」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン