ライフ

アレルギーを発症する猫が増加中 その原因や予防策を紹介

アレルギーの発症時期は生後半年~2才頃がピーク(Ph:Getty Image)

 ハウスダストや花粉などによる鼻炎や目のかゆみ…。これらのつらい症状で悩んでいるのは人間だけではなかった! 今、さまざまなアレルゲンによるアレルギーを発症する猫が増えているとか。そこで、猫のアレルギーの原因や症状、予防策などを紹介する。

 そもそもアレルギーは、体を守る免疫システムが特定の物質に過剰に反応することで起こる。そして、そのアレルギー反応を引き起こす特定の物質のことを“アレルゲン(抗原)”と呼ぶ。

 GREEN DOG東京ミッドタウンクリニック院長の井上慎也さんは、猫のアレルゲンには、大きく分けて次の3つが挙げられるという。

【1】食品(主にたんぱく質)
【2】寄生虫であるノミ
【3】ハウスダスト、花粉、カビなどの環境中のアレルゲン

 その他、香水やたばこの煙などが影響する場合もある。

「アレルゲンは、口や鼻、皮膚などさまざまな場所から体内に侵入し、アレルギー反応を起こします。中でも症状として最も多く見られるのが、かゆみを伴う皮膚炎です。頭部(目のまわりや耳、口まわり)や太もも、下腹部などに、湿疹のような症状が出ます。また、基本的に左右対称に症状が現れるのも特徴です」(井上さん・以下同)

 皮膚炎以外にも、喘息や鼻炎、下痢や嘔吐、血便など、呼吸器系、消化器系の症状が出ることもある。

◆疑わしいアレルゲンを徹底排除! 掃除は念入りに、花粉は持ち込まない!!

 猫のアレルギー対策は、生活環境からアレルゲンを排除することが基本となる。食物アレルギーの場合は、たんぱく質の種類が少ない療法食などを取り入れる。これらは、アレルギーの猫専用などの名目で市販されている。

「猫は、食に対するこだわりの強い動物なので、療法食を食べてくれないケースも。ですから、幼齢期にはなるべくいろいろなものを食べさせて、さまざまな食材に慣らしておきましょう。そうすることで、食物アレルギーが発症しても新しいフードを食べてくれやすくなります」

 アレルゲンがノミの場合、定期的に寄生虫の予防薬を投与する。内服薬や滴下タイプなどさまざまな種類があるので、続けやすいものを選ぼう。

 ハウスダストやたばこの煙など、環境の影響が疑われる場合は、掃除の徹底はもちろん、空気清浄機を稼動させることが重要だ。そして、香水などの刺激因子は猫のいる空間で使わないようにしよう。

「飼い主が外出先から花粉などを持ち込む可能性もあるため、帰宅したら上着についた花粉ははらい落とすなど、室内に持ち込まない工夫も重要です」

 これらの対策をとっても症状が出てしまう場合は、ステロイド剤や免疫抑制剤などによる治療が必要だという。

「特に鼻炎やくしゃみなど、呼吸器系の症状は、風邪の症状と似ているので、アレルギーによるものかどうか、家庭では判断が難しいと思います。症状が悪化すると呼吸困難を招く危険もあるので、いつもと様子が違う時は、すぐにかかりつけの獣医に相談を」

 アレルギーは何が引き金で発症するかわからないが、飼い主の努力次第である程度防げることを知っておこう。

※女性セブン2019年1月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
原付で日本一周に挑戦した勝村悠里さん
《横浜国立大学卒の24歳女子が原付で日本一周に挑戦》「今夜泊めてもらえませんか?」PR交渉で移動…新卒入社→わずか1年で退職して“SNS配信旅”を決意
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン