芸能

有村架純の『中学聖日記』 むしろドラマの王道だった

有村架純は最後まで透明感をまとい続けた

 最近のドラマにおいては、作品のスタートから間もなくして評価が定まってしまうことが多い。その意味で異質だった作品が『中学聖日記』。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 今週最終回を迎えた有村架純主演ドラマ『中学聖日記』(TBS系火曜日午後10時)。中学校教師・末永聖(有村架純)と中学生・黒岩晶(岡田健史)の恋物語としてスタート。振り返れば「荒れた船出」でした。

「中学校の教員と生徒の恋愛は犯罪にならないのか」と物議を醸して注目されたのですから。たしかに日々のニュース報道を見ていると淫行問題等を起こす教師がひきもきらない現実がある。ドラマの視聴者といえば、子を持つ母親たちも多い。つまり、「これはドラマです」と特別扱いしてもらえるのかどうかが、勝負の分れ目でした。

 さて、その後の推移はどうなったか?

 スタートから数回は視聴率と満足度も低調傾向でした。実際、第4話の視聴率は自己最低5.4%。ところが「3年後」に物語が移ると徐々に変化が見られ始める。教師・聖が別の学校へ移り、2人はいったん離ればなれ。晶は高校生になり2人は再会──と、関係性に変化が出てきたあたりから評価も関心も肯定的に転換していき第6話以降、視聴率は7%前後を維持。「純愛物語」と受け止められるようになっていったようです。

 そしていよいよ11話・最終話の視聴率は自己最高の9.6%で幕を閉じました。

 アンチの存在もあれば支持するファンもいた。けれど終わりにむけて支持が拡大したというのはアッパレです。難しい滑り出しをしたドラマが中盤に入って持ち直すというのはなかなか凄い。

 ではいったい何が、このドラマの牽引役となったのでしょうか?

「10~20代の女性層ファンを惹きつけた」という指摘も目にしましたが、それだけが勝因ではないはず。たとえば母親層の視聴者は「息子がドラマから妙な影響受けるからやめて欲しい」と抵抗を感じていた人も多かったようですが、途中から黒岩晶を演じる「岡田健史ファンになりました」という声も複数耳にしました。

 最終回、23歳という「大人の黒岩晶」がスーツ姿で登場した際、女性ファンから歓喜の悲鳴が上がっていました。

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン