一方、男性の視聴者はどんな反応をしたのでしょうか? おそらくその視線は「国民的清純派女優」有村架純さんに集まっていたのでは。「教え子の男子中学生を好きになってしまった女性教師」という役はギリギリの危うさを感じさせ、清純派と呼ばれていた有村さんだけに「汚れ役」がフィットするのかどうか不安要素もありました。

 しかし、全11話を終えてみると、浮き上がっていたのは「どうやっても汚せない、汚れない透明感」でした。

 つまり、主役の有村架純と岡田健史2人共に、最後まで「健気さ」「純粋」「透明感」をまとい続けた──それが成功した理由だったのではないでしょうか。

 昨今の恋愛ドラマのパターンとしては特殊とも言える、コンプライアンス的に時代の流れに逆行した『中学聖日記』。「許されない状況」の元、先生と生徒という年齢差、周囲も反対している苦境の中で、負けない気持ち、抑えられない想い、切なく苦しい恋愛を持続させていく2人の姿は、多くの人の「手に入らない永遠の夢」であり「普遍的な願望」と重なっていきました。

 そう、純愛ロマンと嘘の物語とは、隣り合わせ。ユートピアの語源とは「どこにも無い場所」。ギリシア語の ou (否定詞) と topos (場所)が組み合わさった語なのですから。どこにも存在しない場所が、こうあったらと願う「理想の世界」に転換していった──ドラマの王道と言えるでしょう。

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