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地面師、改ざんダンパー… なぜ不動産業界は不正が横行?

不動産業界の闇を語り合った(左から大島てる氏、夏原武氏)

 2018年は不動産事件が相次いだ。サブリース問題、制震・免震ダンパー不正事件、地面師事件──。“不動産業界の闇”に斬り込む、事故物件公示サイト管理人の大島てる氏と「ビッグコミック」連載中の漫画『正直不動産』原案者・夏原武氏が緊急対談した。

 * * *
──「ビッグコミック」連載中の漫画『正直不動産』と事故物件公示サイト「大島てる」は、不動産業界の闇を曝け出すという点が共通しています。

夏原:「大島てる」は本当に業界の禁じ手をやりましたよね。不動産業者から憎まれているでしょう?

大島てる:それが、家主からは反発されますが、業者からはありません。結局、何を書き込まれようが、業者にとっては自分の扱う家以外は関係ないんです。

夏原:不動産屋は家主や地主がいないと商売にならないけれど、事故物件になってしまえば、もうそんな家主はいらなくなるんでしょうね。

大島てる:サイトに批判的なのは不動産業界よりも自殺者の遺族ですね。遺族は家主から連帯保証人として、損害賠償を請求されます。だから「サイトがあるせいで、下がった家賃分を補償しなければいけないんだ」となるわけです。仲介業者はどうでもいいというスタンスです。ある意味では、私はそのやる気のなさで助かっているのかもしれません(笑)。『正直不動産』には、不動産業者からの批判はありますか?

夏原:クレームは多少あります。でも、真面目にやっている業者からは喜ばれているんじゃないかな。取材にも協力してもらえます。それも、抗議するほどやる気のある業者が少ないだけかもしれないけど(笑)。

──12月27日に発売される『正直不動産』単行本第4集には、欠陥マンションとホームインスペクション(住宅診断)をテーマにしたエピソードもあります。

夏原:住宅の安全性は素人にはわかりません。専門知識をもった第三者の意見がすごく重要になる。でも、あまり指摘されていませんが、インスペクターも中立ではなく、仕事を振ってくれる業者側に立ってしまうというのは、あり得る話なんです。

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