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2019.01.05 07:00  週刊ポスト

がん治療「究極の二択」 放射線か手術か、開腹か内視鏡か

 外科手術の先には、新たな2択が現われる。「開腹手術」か、スコープの先についた特殊なナイフでがんを切除する「内視鏡手術」かである。渡辺医師は「内視鏡」を勧める。

「早期がんの場合、体への負担が少ない内視鏡手術を行なうのが一般的です。ただし進行した胃がんや大腸がんの場合は、医師が開腹手術をしてがん病巣を見極め、転移していたらリンパ節まで合わせて切除します」

 患部近くの腹部に数か所の穴を開け、そこからスコープや器具を挿入してがんを切除する、内視鏡を用いた「腹腔鏡手術」は患者の体への負担が少ない。ただし、注意点もある。

「『腹腔鏡手術』は、モニターに映されたカメラ映像を見ながら行なうため医師は思ったようにメスなどの器具を動かせず、開腹手術より難度が高い。熟練した医師かどうかの見極めが重要です」(医療経済ジャーナリストの室井一辰氏)

◆前立腺がんを「切る」か「切らない」か

 手術するのが得策でないがんもある。患者の90%以上が60歳以上で“高齢者のがん”といわれる前立腺がん。医師からは「とりあえず切ってしまいましょう」と言われることが多いが、いまや“切らないほうがいい”という学説が主流だ。

「複数の研究で『前立腺がんは放置しても死亡率に影響しない』『手術により排尿障害などのデメリットが生じる』と示されました。これを受けて、米国放射線腫瘍学会や日本泌尿器科学会は、ガイドラインに、積極的な治療をしないで様子を見る『監視療法』を盛り込んでいます」(室井氏)

※週刊ポスト2019年1月11日号

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