おからヨーグルトはおからパウダー大さじ4杯程度(15グラム)をプレーンヨーグルト100グラムに混ぜるだけで簡単にできる。おからパウダーがヨーグルトの水分を吸ってディップ状になり、食べごたえのあるヨーグルト、という感覚だ。
「おからパウダーとヨーグルトは栄養面だけでなく、味の相性も良いです。おからのパサつきをヨーグルトがしっとりさせるので食べやすく、かさを増して満足感や満腹感を高めてくれます。ヨーグルトの酸味も少しまろやかになります。
おからヨーグルトは朝食のほかに、夕方にお腹が空いたときの間食としてもおすすめです。不足しがちなカルシウムなどの栄養をプラスできるほか、たんぱく質と食物繊維が豊富なので腹持ちも良く、夕食のドカ食いを防ぐことにも繋がります。また、食後血糖値の上昇も抑えられるので、糖質を多く摂りがちなランチの前に食べるのもおすすめです」(前出・岸村先生)
従来の「生おから」は冷蔵品で、傷みやすく日持ちがしないのが難点だったが、それを専用の機械で乾燥させたのが、おからパウダーだ。スーパーマーケットの豆腐売り場や粉もの売り場で販売されていることが多いが、お店によって異なるので、分からない時は店員に聞くとよい。オンラインショップでも購入できる。
常温で長期間の保存が可能なおからパウダーは、食物繊維が豊富なヘルシー食材として近年、注目を集めている。2015年からの3年間で流通量は140%増加している。健康に良いだけでなく、使い勝手の良さを増したことが大きい、と前出の岸村氏はいう。
「おからというと、どうしても煮物以外のレパートリーが無く使いきれない、というイメージがありますが、おからパウダーであれば粉末状で日持ちもするので、色々な使い方ができます。小麦粉やパン粉の代わりに使って、食物繊維をプラスしながら糖質オフができたり、豆腐の水切りの代わりに使えば白和えや豆腐ハンバーグが手軽に作れます。今回のおからヨーグルトも、ポタージュスープやスムージーに混ぜたり、色々なものにちょい足しできます。味も素材や料理の邪魔をせず、手軽にプラス出来るのが良い点ですね」
生活習慣病を防ぐために推奨されている1日の食物繊維摂取量は男性が20グラム以上、女性が18グラム以上(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」)。実際は足りない人が大半で、特に10~40代は目標値の3分の2程度しか摂れていない。食物繊維が豊富なおからパウダーとヨーグルトを合わせた「おからヨーグルト」の手軽さは、忙しい人が健康に暮らすためにぴったりの食習慣となりそうだ。