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神戸製鋼8連覇の夢潰えた日 背景に震災被災者への思いも

1995年の社会人ラグビー決勝(時事通信フォト)

 絶対王者とてやがて落日は訪れる。神戸製鋼ラグビー部にとってそれは平成8年(1996年)1月28日だった。

 第48回全国社会人ラグビー大会。史上初の8連覇を目指した神戸製鋼だったが、準々決勝のサントリーと引き分け。トライ数で下回ったため規定で準決勝に進めない僅差の敗戦だった。

 神戸製鋼にとって8連覇には、新日鉄釜石の7連覇(1985年)を塗り替える新記録だけでなく、地元・神戸市民から大きな期待が寄せられていた。前年1月、7連覇を達成したそのわずか2日後、阪神淡路大震災が発生していたからだ。

 神戸製鋼のグラウンドは地割れや液状化現象を起こし、瓦礫が山積みされ、練習スペースもなかった。選手の多くは避難所生活を続け、ラグビーどころではなかった。チーム作りが遅れ、走り込みも十分にできなかったが、復興のシンボルとして8連覇を掲げたのだ。

 大八木淳史は悔しさに口を結び、8連覇を置き土産に引退予定だった平尾誠二は2年後に現役を引退。2016年に53歳でこの世を去った。(敬称略)

※週刊ポスト2019年2月1日号

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