要するに「稼ぐ力」があれば、それが一番の「蓄え」になるのだ。いわば“見えない貯金”である。ふだんは使わなくてもよいが、いざとなった時は繰り出せばよいのである。「稼ぐ力」は皆さんの人生設計において、金利が雀の涙ほどもつかない貯金や全くあてにできない年金よりも、よほど頼りになるのだ。
※大前研一・著『50代からの「稼ぐ力」』(小学館刊)より一部抜粋
【プロフィール】おおまえ・けんいち/1943年福岡県生まれ。1972年に経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。本社ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を歴任し、1994年退社。以後、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして幅広く活躍。現在、ビジネス・ブレークスルー(BBT)代表取締役会長、BBT大学学長などを務め、日本の将来を担う人材の育成に力を注いでいる。