スポーツ

競馬の階級制度廃止、競走馬の引退タイミング早まるか

降級制度廃止の影響は?

 競馬の降級制度廃止によって、「1勝クラス」「2勝クラス」「3勝クラス」「オープン」とクラス分けがすっきりとし、ファンにとっては馬の実力関係がわかりやすくなる。しかし同時に複雑な変化が生まれてくる。『週刊ポスト』での連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、競走馬の「クラス分け」によって起きる変化についてお届けする。

 * * *
 まず、それぞれのクラスで「二極化」が進む。前回でも少し触れていますが、同クラス内で、強い馬と、ほとんど勝てない馬の二つに分かれそうです。これまでは、思ったように勝ちきれない馬は降級制度のおかげで態勢を立て直すことができた。角居厩舎の場合、昨年はブラックスビーチ、グローブシアター、ザクイーンがそうでした。制度の恩恵にあずかってじっくりと力を溜め、後の飛躍につなげたのです。逆にいえば、降級制度を睨んでの馬の調教プランを組んでいたわけです。

 たとえばグローブシアターは、昨年2月に小倉の皿倉山特別(1000万円以下)を使い、いい競馬でしたが勝ちきれず3着。そこでしばらく短期放牧に出してじっくり調整、5月に厩舎に戻して京都の白川特別を勝ちました。この時点で1600万円以下(準オープン)に昇級しましたが、6月になって1000万円以下に降級。直後の6月9日に三田特別を勝つことができて再昇級しましたが、準オープンを使うことなく4か月間放牧に出して調整。10月から使い始め、3戦目で1600万円以下クラスを勝ちました。もともと力のある馬ですが、1着賞金が1500万円という1000万円以下特別を2回勝っているわけです。

 今年からは、そういったチャンスがなくなります。まず、現状の500万以下クラスで勝てなかった4歳馬は、3歳馬と走るようになると、ますます苦しくなる。

 また、たとえば早い時期に2歳3歳限定のオープン特別を勝ったり、重賞で2着に入ったりした馬などは、古馬と走るようになった時、まったく通用しないケースもありえます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン