現地で見つけた「極東青年会」の写真(左は筆者・井上和彦氏)
それは、ポーランドに帰国しこの学校で過ごした子供たちが結成した、日本の「旭日旗」をシンボルとした「極東青年会」なる親睦団体の写真だった。私はこの写真の存在を知っていたものの、やはり現地で見ると感慨もひとしおだ。
こうして育った青年の中には第二次世界大戦時にナチスに迫害されたユダヤ人を命がけで救う者もあらわれたのである。
そしてポーランド政府がポーランド孤児救援に対し、日本に恩返しするときがやってきた。平成7年と8年、ポーランド政府が阪神淡路大震災の被災児童らをポーランドに招待し、ワルシャワで4名のポーランド孤児との対面などを通じて子供らを励ましたのだった。
これはポーランド科学アカデミーのスタニスワフ・フィリペック博士の尽力によるものだった。当時、駐日ポーランド大使館の参事官だったフィリペック博士は募金を呼び掛け、その資金で阪神淡路大震災による日本人孤児や被災者をポーランドに招待したのである。
その動機についてフィリペック博士はこういう。
「私のおばあちゃんから、日本に感謝すべきことがあるといわれてきましたから、何か役に立てないかと考えたのでした」
その後もポーランド政府は、平成23年に発生した東日本大震災で被災した岩手県と宮城県の子供たちを2週間もポーランドに招くなど、100年前のポーランド孤児救出劇への恩返しは続いている。
◆日本軍将校に勲章授与