国内

薬とのNG食べ合わせ、食物繊維の多い食品を避けるべき理由

抗結核薬や抗うつ剤を飲んでいる人はチーズに注意を(写真/PIXTA)

“うなぎと梅干し”は江戸時代から伝わる“共演NG”食品の元祖。しかしこれは「高級品と粗食を交ぜてはいけない」という戒めからくる迷信だそう。では、本当に避けるべきものは? 最新研究でわかった薬との「NG食べ合わせ」、「NGのみ合わせ」に迫る。

◆抗結核薬・抗うつ剤×チーズ

 発酵がすすんだチーズには血管を収縮させる作用を持つ「チラミン」という成分が含まれている。通常、食物中のチラミンは、消化管にある「モノアミンオキシダーゼB」という酵素で分解される。

 しかし、服用している薬によっては、話が変わってくる。『知らないと怖いクスリと食品の危険な関係!』などの著者で薬剤師の堀美智子さんが解説する。

「抗結核薬の『イソニアジド』や、うつ病や夜尿症治療薬として使用される『イミプラミン』を服用していると、『モノアミンオキシダーゼB』の効用が抑制され、チラミンが分解されず、血圧が急激に上昇したり、動悸や頭痛などを引き起こしたりすることがあります」

 チーズのほかに、赤ワインやアボカド、キムチもチラミンを含んでいるので、注意したい。

◆抗結核薬×まぐろ

 前出の抗結核薬『イソニアジド』はまぐろやかつお、さばなど、魚類との相性が悪いという。『薬が毒に変わる危ない食べ合わせ』の著者で医師の柳川明さんが説明する。

「イソニアジドにはヒスタミンの代謝を阻害する作用があり、頭痛や嘔吐、かゆみなどを伴う『ヒスタミン中毒』を引き起こすことがあります。まぐろやかつおなどにはヒスタミンの材料となる『ヒスチジン』が多く含まれているので、抗結核薬をのんでいる人はできるだけ避けてください」

◆薬全般×食物繊維

 食物繊維は腸の調子を整えて、女性が悩む便秘解消に役立つが、薬を服用している時は摂りすぎに注意したい。

「食物繊維は腸の掃除をしてくれる重要な役割を担っているが、その一方で、薬の成分に絡みついて吸収を妨げたり、薬を“異物”ととらえて体外に排出してしまったりすることがある。どんな薬でも、のむ前後に食物繊維を多く含む食品をとることは避けた方がいい」(柳川さん)

◆血液凝固抑制薬×コエンザイムQ10

 美容サプリメントや健康に役立つはずの特定保健用食品(トクホ)が、食べ合わせやのみ合わせによって効果がなくなることも。

 疲労感の軽減や生活習慣病の予防、さらには老化防止など、『コエンザイムQ10』は中高年女性にはうれしいサプリメントだが、慢性心不全など持病のある人は要注意だ。一般社団法人日本健康食品・サプリメント情報センター理事の宇野文博さんは言う。

「コエンザイムQ10には美容効果だけでなく、血液を凝固させる副作用がある。そのため、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞などを防ぐための血液凝固抑制薬である『ワルファリン』の血流促進作用を阻む恐れがあるのです」

※女性セブン2019年2月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
「参政党パワー」の正体とは(神谷宗幣・代表)
叩かれるほどに支持が伸びる「参政党パワー」 スピリチュアリズム勃興の中で「自分たちは虐げられていると不安を感じる人たちの受け皿に」との指摘
週刊ポスト
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこが自宅マンションで亡くなっていることがわかった
遠野なぎこさん死去…「絶縁状態」と言われていた親族が訃報発表に踏み切った事情 知人が明かす「ずっと気にかけていた」本当の関係
NEWSポストセブン
なぜ蓮舫氏は東京から再出馬しなかったのか
蓮舫氏の参院選「比例」出馬の背景に“女の戦い”か 東京選挙区・立民の塩村文夏氏は「お世話になっている。蓮舫さんに返ってきてほしい」
NEWSポストセブン
泉房穂氏(左)が「潜水艦作戦」をするのは立花孝志候補を避けるため?
参院選・泉房穂氏が異例の「潜水艦作戦」 NHK党・立花孝志氏の批判かわす狙い? 陣営スタッフは「違います」と回答「予定は事務所も完全に把握していない」
NEWSポストセブン
フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
《訃報》「生きづらさ感じる人に寄り添う」遠野なぎこさんが逝去、フリー転向で語っていた“病のリアルを伝えたい”真摯な思い
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《真美子さんの艶やかな黒髪》レッドカーペット直前にヘアサロンで見せていた「モデルとしての表情」鏡を真剣に見つめて…【大谷翔平と手を繋いで登壇】
NEWSポストセブン
誕生日を迎えた大谷翔平と子連れ観戦する真美子夫人(写真左/AFLO、写真右/時事通信フォト)
《家族の応援が何よりのプレゼント》大谷翔平のバースデー登板を真美子夫人が子連れ観戦、試合後は即帰宅せず球場で家族水入らずの時間を満喫
女性セブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と全身黒のリンクコーデデート》浜辺美波、プライベートで見せていた“ダル着私服のギャップ”「2万7500円のジャージ風ジャケット、足元はリカバリーサンダル」
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《タクシーで自宅マンションへ》永瀬廉と浜辺美波“ノーマスク”で見えた信頼感「追いかけたい」「知性を感じたい」…合致する恋愛観
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン