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2019.02.19 11:00  週刊ポスト

米朝首脳会談で日本は「核軍拡競争の暴風圏」に放り込まれる

 一方で、米朝の首脳同士は間合いを縮めています。トランプ大統領と金正恩委員長が朝鮮戦争の終戦宣言に踏み込めば、北東アジアの冷戦構造は終結に向かい、ベルリンの壁崩壊と同じく、38度線も事実上溶けてしまうでしょう。それによって、在韓米軍の撤退が現実味を帯びてきます。アメリカの「防衛ライン」から朝鮮半島が外れてしまえば、38度線という防衛線は対馬(長崎県)まで迫ってきます。

 そうした事態になれば日本は否応なく、背後に中国が控える朝鮮半島と角突き合わせる「西の端」に置かれることになります。

 トランプ・金正恩の基調は「雪解け」の方向に向かっている。その結果、日本が「北朝鮮よりはるかに強大な相手」と直に対峙する事態を想定すべき時に来ているのです。ロイターの記事も「東アジアにおける米国の防衛線が後退し、日本が中国やロシアと直接向き合う『最前線国家』になる恐れがある」(2018年6月5日)と指摘しています。

 そんな中で出てきたのがトランプ大統領による中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄です。これによってロシアもINF条約から離脱。今後、米ロ両国は核軍拡競争に再突入していきます。INFに加盟していない中国も中距離核の開発競争に巻き込まれていくはずです。そのターゲットは在日米軍基地やグアム島です。いまや核軍拡競争の主戦場は東アジアです。その台風の暴風圏に日本は放り込まれることになります。

 米朝、南北の融和が進むにつれ、日本が防衛ラインの最前線となってしまう。日米同盟という前提に立てば、米国は在日米軍の強化に動くはずですが、「異形の大統領」は果たしてそう判断するでしょうか。ここが「アメリカ第一主義」の恐ろしいところなのです。

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