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ほとんどの分譲マンションはやがて「粗大ごみ」となる運命

 では、どうすればよいのか? まず、法制度を変えるべきである。現行の、区分所有者の権利をあまりに尊重するような仕組みは改めるべきだ。

 次に、解体に備えた費用を積み立てるべきだろう。定期借地権といって50年から70年後には解体したうえで更地にして地主に土地を還す、という権利形態の分譲マンションがある。この定期借地権のマンションでは、管理組合が区分所有者から将来の解体費用を毎月徴収している。

 こういう「解体費用の積立」を通常のマンションでも行うべきだろう。そうすれば、何十年か先の解体もスムーズに行えるのではないか。

 多くの人は分譲マンションに幻想を抱いている。マンションが半永久的に存在して、自分たちの資産になるものだと考えているのだ。しかし、その考えは間違っている場合が多い。

 都心立地の一部のマンションは、敷地自体の資産価値が高いので建て替えや売却が容易だが、近郊や郊外に立地する分譲マンションの多くは、老朽化すれば資産価値がゼロどころかマイナスになってしまう。

 特に将来は立地の資産価値が危ぶまれている湾岸埋立地のタワーマンションは厄介だ。解体費用は1住戸あたり500万円以上と想定される。しかし、人口が減少した未来には解体後に敷地を売却しても、解体費用さえ賄えるかどうかが危ぶまれる。

 繰り返すが、すべてのマンションは廃墟になる。少なくとも、その危険をはらんでいる。我々は今からそういう近未来に備えるべきではないか。

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