国内

「蹴り上げ虐待」を受けた犬、動画告発で保護 現在の様子

暴行を受けたレイ(16才)。今後は病気の治療に専念する予定だ

「“とにかく早く返してほしい”と毎日のように電話やメールがあります。ですが、今あの飼い主に返したら、今度はこの子が殺されると思います」

 そう語るのは動物保護団体「紫友会」代表の川村紫さんだ。彼女は今、衝撃的な“ラブラドール蹴り上げ動画”で被害が明らかになった老犬を保護している。

 きっかけは2月8日、ツイッターに投稿された1本の動画だった。飼い主の50~60代の女性の後をよろよろと歩く白いラブラドール・レトリバー。すると突然、飼い主は右足で犬の腹部を思い切り蹴り上げた。犬は衝撃で倒れ込んだが、しばらくすると起き上がり、飼い主を見上げると、再びそばへとついていく。しかし、数歩歩くと、再び飼い主の容赦ない蹴りが腹部を襲う──。動画の投稿者が振り返る。

「午後5時頃、飼い主の女性が“おしっこしやがって!”と叫びながら自宅のガレージで絨毯を洗っていました。その時、そばにいた犬を蹴るのを目撃して、動画を撮影し始めたんです。

 実はこの女性は犬の虐待だけでなく近隣で迷惑行為を繰り返していて、数十回は警察が来ています。でも、警察は注意のみで何も対処してくれなかった。ツイッターなら動画を見た人がたくさん通報して警察が動いてくれるかもしれないし、こうした問題に詳しい人がどうしたらいいか教えてくれるかもしれないと思って投稿しました」

 紫友会の川村さんは、フェイスブックでこの動画を見て「一刻も早く助け出さなければ」と、映っている背景などから場所を特定。翌日に車で広島を出て、5時間かけて現場となった京都市伏見区の住宅地に到着した。

「まず自分の目で確かめなければと思い、近隣のかたのお話を聞いて散歩ルートを確認しました。夕方、飼い主が散歩に出てきたので様子をうかがっていると、突然リードを引っ張って犬を引きずり始めた。さらに立ち上がらないことに怒って蹴りだしたので、すぐに警察に“虐待している現場を見ました”と通報しました」(前出・川村さん)

 警官が駆けつけると女性は騒ぎ始め、「犬を奪うなら死んでやる」「お前を刺し殺してやる」「家を調べて火をつけてやる」などと叫び、包丁を振り回したという。女性は警官に取り押さえられた。女性は「(犬が)家中におしっこする。そのしつけだった」と虐待を完全否定している。

 保護されたラブラドールの名前はレイ。16才で、人間でいえば90才過ぎの老犬だ。そんな年老いた身に“しつけ”も何もあるはずがない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
渡邊渚さんが綴る「PTSDになった後に気づいたワーク・ライフ・バランスの大切さ」「トップの人間が価値観を他者に押しつけないで…」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
ルーヴル美術館での世紀の強奪事件は瞬く間に世界を駆け巡った(Facebook、HPより)
《顔を隠した窃盗団4人組》ルーブル美術館から総額155億円を盗んだ“緊迫の4分間”と路上に転がっていた“1354個のダイヤ輝く王冠”、地元紙は「アルセーヌ・ルパンに触発されたのだろう」
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン