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プリンスホテルの差別化戦略と「若者の旅離れ」対策

プリンスホテルの小山正彦社長(撮影/山崎力夫)

 2018年、3000万人を突破した訪日外国人は、来年の東京五輪を控え、さらに増えると見込まれている。その受け皿となるホテルの建設ラッシュが加速しているなか、国内有数の客室数を誇るプリンスホテルはどのような取り組みを進めているのか。異色の経歴を持つ同社のトップ、小山正彦社長に訊いた。

──30年前の平成元年、小山社長はどんな仕事を?

小山:私にとって平成元年は、まさにホテルマン人生が始まった節目の年でした。その時すでに30代ですね。

 私がプリンスホテルに入社したのはそれより10年前の1979年ですが、ホテルマンとして入ったわけではありません。学生時代は立命館大学で硬式野球をしており、卒業後、発足したばかりのプリンスホテル野球部の選手となったのです。私は主に一塁を守りました。同期には後にプロで活躍する石毛宏典や中尾孝義もいた。

 社会人野球11年目の平成元年(1989年)にコーチとして都市対抗野球を初制覇。その年に引退し、ホテル業に専念することになります。

 もう一度就職し直した感覚でしたね。それから全国にある弊社のホテルを渡り歩きました。30歳を過ぎてからの遅すぎる新人生活でしたが、だからこそホテルマンとは何かを考え抜き、もがいた頃でした。

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