ビジネス

「もし自分が金正恩だったら…」を考える思考トレーニング

米朝会談のためベトナム・ハノイに到着した金正恩委員長(EPA=時事)

 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による2回目の首脳会談。今後、北朝鮮が本当に「非核化」するかどうかはまだ予断を許さないだろう。金正恩の頭の中は知る由もないが、経営コンサルタントの大前研一氏は「もし自分が金正恩だったら……を考えてみることは、発想力を鍛えるツールになる」という。

 * * *
 日常のニュースも「RTOCS(注:リアルタイム・オンライン・ケーススタディ=現在の「誰か」に自分が成り代わり、その人の立場になって発想するトレーニング)」を試みる絶好の機会となる。

 たとえば、このところずっと世界を振り回している北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長。安倍政権のように、何とかの一つ覚えで彼を批判するのは簡単だ。溜飲も下がるかもしれない。

 だが、こうしたニュースさえも、やり方次第で自分の発想力を鍛えるツールとなる。
「もし自分が金正恩の立場だったらどうするか?」と問うのである。すると、金正恩の追い込まれた立場が手に取るように分かる。

 父・金正日総書記の死によって、突然、北朝鮮トップのポジションが自分に回ってきた。その時、味方がいたわけではない。何か余計なことをすれば、自分が殺されるかもしれない。事実、兄である金正男を中国が推している、という情報も入っていたはずだ。周辺諸国とも関係はうまくいっておらず、アメリカや中国が自分の命を狙っているかもしれない。

 もし、私が今の自分の年齢で金正恩の立場になったら、答えは簡単だ。死ぬまでとぼける。阿呆の振る舞いを続けるしか、逃れる道はないだろう。

 だが、彼が父の後を継いだのは20代だ。この先30年も40年もとぼけ続けるわけにはいかない。では、どうするか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト