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陳建一氏「死ぬまでゴルフ。料理とゴルフは似ている」

サンドウェッジを手にした陳建一氏

 グラビア写真界の第一人者、渡辺達生氏(69)が“人生最期の写真を笑顔で撮ろう”とのコンセプトで立ち上げた『寿影』プロジェクト。渡辺氏は、自然な笑顔を引き出すべく、撮影する人に「一品」を持ってきてもらって、それにまつわるエピソードを聞きながら撮影する。

 中華の鉄人として知られる料理人、陳建一氏(63)は、年間ラウンド数240回にも及ぶという猛烈ゴルファーでもある。そんな陳氏が持ってきたのは、30年愛用するキャスコの58度のサンドウェッジだ。

「こういう形はもうない。溝も削れているけど、いうことを聞いてくれる可愛いヤツなんだよ」

 ゴルフとの出合いは18歳。練習場で凄い当たりを1球体験し、その打感に惚れてハマった。以来、料理を極めながら「ゴルフ人生まっしぐら」と満足気に笑う。

「料理とゴルフは似ている。自分に合う道具、巧みな技術が必要で、何より大事なのは精神。ゴルフは心のスポーツだし、料理もお客様に心を込めて作らないと本当の満足は提供できないんだ」

 終活の一環として、そうした姿勢を伝え育てた息子・建太郎氏に店を継承。自身は国内外を巡っての後進指導を義務とする。無論、褒美のゴルフ合宿付きだ。

「人生楽しく生きなきゃダメよ。僕は皆に感謝しながら、死ぬまでゴルフ。夢? オーガスタ・ナショナルでプレイしたいね~」

【プロフィール】ちん・けんいち/1956年、東京都生まれ。玉川大学卒。父は中華の神様と呼ばれた陳建民氏。『料理の鉄人』(フジテレビ系)で中華の鉄人として一世を風靡。現在は「四川飯店」グループ会長を務める傍ら、講演などで幅広く活躍する

◆撮影/渡辺達生、取材・文/スペースリーブ

◆小学館が運営する『サライ写真館』では、写真家・渡辺達生氏があなたを撮影します。詳細は公式サイトhttps://serai.jp/seraiphoto/まで。

※週刊ポスト2019年3月8日号

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