「開発コストが高いことに加え、CAR-T細胞療法は患者本人の細胞の培養が必要なオーダーメード治療なので、人件費や設備費用なども多くかかります。しかし、厚労省に承認されれば、健康保険が適用されるため、費用の大半が公費でまかなわれます。高額療養費制度もあるため、所得額にもよりますが、多くの人が月8万~10万円以下で利用できるようになると予想されます」(医療ガバナンス研究所の上昌広医師)

 ただし、今回承認の対象になるのは、一部の白血病患者に限られている。

「現状では血液がんに対する有効性は示されていますが、肺がんや胃がんといった固形がんには有効だという結果が出ていません。今、国内外の大手製薬会社や研究機関が開発を進めているところです」(上さん)

 医療技術はまさに日進月歩。どんながんでも簡単に治せる──そんな治療法の実現も、もう夢ではない。

※女性セブン2019年3月14日号

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