1400mでスタートから速い流れになったとき、「あれ? 今日はえらい速いな」と馬は感じる。流れに乗って他の馬が加速しだす。そこに諦めずになんとかついていく。
それを繰り返し練習することで、馬のメンタルが強くなる。頑張ることを覚えて、馬は成長します。その集中力が身につけば、1600m、1800m、それ以上に距離を延ばしても頑張れるのです。
角居厩舎の馬でいけば、6歳牡のショパンがそうでした。
新馬戦は阪神2000m、M・デムーロの手綱で5着でした。折り合い面に不安が見えて、すぐに見直しを図った。ショパンの場合はマイルで試しました。
次の京都1600mは同じ鞍上で初勝利。そしてやはりM・デムーロに任せてダービートライアルのプリンシパルS(2000m)に臨んだものの、1番人気ながら15着。東京の長い直線でまったく伸びず、見せ場なく敗れてしまった。馬のメンタル強化、そうは簡単にはいかないものです。
そこで自己条件の500万円以下、阪神1600mに戻して3着。ラストの直線、よく頑張って伸びました。その後の調教の感触もよく折り合い面での不安も消え、以降は距離を延ばします。中京2200mで3着、新潟2200mでも3着。
そして7戦目、京都の2400mで長丁場を勝ちきりました。4角を回ってしばらく中団でじっと我慢して、ラストは鮮やかに切れました。