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パクチー人気の後を追うクミン 新スパイスブームを牽引

カレーの匂いはクミンの香りが中心(写真:アフロ)

 あるのとないのとでは大違いなのがスパイス。こだわりを持つ食通は増えている。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が指摘する。

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 改元が行われる今年はスパイス&ハーブ文化元年となるかもしれない。そう思えるほどスパイス&ハーブの使い方が巧みな飲食店が増えている。

 3年前の本稿で「パクチー出荷が5年で3倍増 ついに今年ブレークか」という記事を書いた。それ以前は一部の好事家のものだったパクチーが、この頃から大衆のものになった。その後、実山椒ブームなどを経て、料理店で使われるスパイス&ハーブの存在感は増すばかりだ。

 とりわけ、中華やアジア系の料理に使うスパイスの人気が高い。パクチーの後を追うようにこの数年爆発的な人気となっているのがクミン。カレーには必須の香辛料とされ、中央アジア料理や中国東北地方では、羊肉との相性のよさはつとに知られている。単体のスパイスとしてよく知られるようになったのは最近だが、その輸入量は2016年1894トン、2017年2389トン、2018年2654トンと、2ケタずつという急成長ぶりだ。

 もともとクミンはカレーには欠かせないスパイス。当然カレー粉やカレールウの原料としての大手メーカー向けの需要もあるが、この数年、カレー粉のような市販の混合調味料では飽き足らず、自ら各種スパイスを調合して使う料理人がプロアマ問わず増えてきた。スパイスの世界は奥深い。

 さらには羊ブームである。パクチー人気に火をつけた東京・神田の「味坊」が御徒町に羊肉を前面に押し出した「羊肉味坊」をオープンさせたのが2016年末のこと。以来、羊+クミンという組み合わせが完全に定番化し、以前からあった中国東北地方料理の店も賑わうようになった。

 現代のスパイスブームをくくるキーワードは「細分化」と「引き算」だ。

 スパイスやハーブは産地や品種によって微妙に風味が違う。例えば黒胡椒などは日本ではひとくくりにされるが、インド産だけでも、マラバル、テリチェリー、アレッピーといった品種があるし、インドネシアやマレーシアなどさまざまな国でそれぞれの胡椒を生産している。

 微妙な風味の違いを肉を扱うシェフが使い分け、白胡椒やピンクペッパーなど他の胡椒にも波及効果を及ぼした。胡椒は、2017年の輸入量は8193トンだったのが2018年には9485トンと急増している。

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