つまり、歯を残すためにはまず、歯周病や虫歯の進行を食い止めなくてはならない。それには、「予防歯科」を学ぶことだ。約30年前から予防歯科に取り組んでいる景山正登氏(景山歯科医院・院長)は、こう指摘する。
「初診の患者はプラークスコア=70%前後が多い。虫歯や歯周病の原因となるプラークが、約7割も残っている状態です。フロスや歯間ブラシの使用法を習得してもらうと、2か月後には20%以下になる。中高年世代から予防歯科を始めても、決して遅くはありません」
歯を削り、詰め、抜くのが歯科治療だという“常識”は、180度変わった。ただ、新しい考え方に基づいた治療をしていないケースもある。自分の歯を守るために、どう歯医者を選べばいいのか。
◆「混んでいて人気=良い歯医者」ではない
「いつも待合室が混んでいる歯科医院は、良い治療をしているはず」――多くの人が陥りやすい誤解だ。
これまでの取材経験では、誠実な歯科医ほど予約の患者を制限して、じっくり時間をかけて治療している。ずらっと並んだ診察台を飛び回って治療するようなやり方では、質の高い治療は難しいだろう。
◆プロフィールに「専門分野」がなければ要注意