芸能

指原莉乃 AKB卒業を前にバラドルとして「完全体」に進化

考える時に上目になる指原莉乃(イラスト/ヨシムラヒロム)

 AKBグループ総選挙で3連覇を含む計4回の1位を獲得した指原莉乃が、4月28日の横浜スタジアム卒業コンサートをもってグループから卒業をする。これまで同グループの人気者たちが卒業するときには、その後の転身について話題になることが多かったが、指原の場合は少し様子が違う。「このまま活躍が続くのだろう」という安心感を視聴者が共有しているような雰囲気がある。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、『指原莉乃&ブラマヨの恋するサイテー男総選挙』(AbemaTV)で指原が見せる、テレビタレントとしての完全体ぶりについて考えた。

 * * *
 今年4月、指原莉乃がHKT48を卒業する。過去、AKBグループから多くの有名メンバーが巣立っていった。その度に「卒業後の動向」が注目されたが、指原の場合はそういったことが一切なく……。今後もバラエティの世界で活躍していくことに間違いない。

 グループでの活動中に芸能界で自分のポジションを確保し、卒業を迎える。誰しもが望む理想の卒業を叶えたのは、歴代で指原のみ。言わずもがな、持ち前のトーク力ありきの結果である。

 AKB48のその他大勢からバラエティ担当へ、ひな壇で結果を残し、今ではMCに成り上がり。数多くの番組を取り仕切る指原。一応アイドルなので、優良な内容のバラエティを担当している。その中で唯一の例外がある。

 それが現在、AbemaTVで配信中の『指原莉乃&ブラマヨの恋するサイテー男総選挙』。タイトルそのままにサイテーな内容をお届けしている。

 この番組で注視されるのが無名タレント、サイテー男の面々。ホスト、YouTuber、芸人、俳優と職種は異なるが皆一様に腰の軽い“悪い男”達。そんなサイテー男の恋愛事情、テクニックを聞き出すといった内容。番組の公式説明欄には、女性が“悪い男”に引っ掛からないために観る「恋の参考書」とも記載される。

 有名タレントと無名タレントが共演する番組は、司会席とひな壇の区分が明確であることが多い。対して『サイテー男総選挙』のポジショニングは異質だ。指原、ブラマヨもサイテー男と共に車座になる。目線の高さを合わせ、出演者全員が向かい合うことにより、誰しもが自由闊達に発言できる空気感を演出している。その効果もあってか、繰り返される男女関係の猥談は毎度フィーバー。明け透けになったゆえ、とてつもないゲスさが漏れてくる。

 AbemaTVが配信する番組のコンプライアンスは地上波の民放と比べて明らかに低い。その中でも特に『恋するサイテー男総選挙』の下ネタ濃度は高い。清純な人が観れば、ショックで閉口するレベル。下世話な僕ですら「これ笑えるのか?」と疑いたくなる描写が多々見受けられた。サイテー男はファンキーでユニークな面々。しかし、どこかにちょっとした怖さがある。

 そんな荒れたバラエティ番組という名の戦場に唯一いる女性が指原。常時、上下左右から飛んでくる下ネタを調理していく。

 ブラマヨを含めて『恋するサイテー男総選挙』に出演する12名の男性陣は皆ボンクラで。理性を持つのは指原のみといった構図。毎度「浮気の定義とは?」といった男女関係に沿ったトークが展開されるなか、指原は「〇〇さんはいかがですか?」と丁寧に話を振っていく。

 先ほど記述した番組説明では「恋の参考書」と書いた。確かに、初期はサイテー男の回答を反面教師とし、学んでいく側面が強かったと思う。しかし、回を重ねていくうちに番組の様相が変化していく。いつの間にか番組がホストクラブみたいになっていた。サイテー男が指原に対して白旗を上げ始めたのだ。過去、多くの女性を泣かせてきたサイテーな面々も指原姫の前では道化になる。誰しもが自分のコメントに対する、姫の反応に一喜一憂。サイテー男の人間性も徐々に漏れ始めてきた。

 長く売れ続けるタレントに決まったキャラクターはいらない。ただシンプルに“面白い人”と捉えられるのが良い。

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン