「多くの就活生が取り組んでいる、エントリーシートや面接での回答の差別化は、差別化になっていないことに、早く気がつくべきです。人事の気持ちに立てば、同じような話を何人もの就活生から聞かされるのはつらいことは想像できると思います。
私が就職の時は、よくありがちな『サークル』とか『部長をやって…』というエピソードは一切出さず、かわり『経営』について語りました。親が自営だったことから、経営について話したんです。もちろん付け焼き刃ではだめですが、それが本当の差別化につながったと思います。
他の就活生が思いつくような、マニュアル化された差別化の方法は全部やめる、つまり“差別化の差別化”が必要です。大学内の就職セミナー、合同説明会などに参加してももちろんよいのですが、それは差別化とは逆の方向の努力になります。
現在私は講師として、受講生に、世界で一枚のエントリーシートを書くように指導しています。難しいことではありません。先輩たちのマネをしなければいいんです」
可能なら、同じ就活生や先輩たちのエントリーシートを数多く見せてもらうといいでしょう。そこで何度も出てくるような「こんな苦労をしたけれどこうやって克服しました」というエピソードは、すでに「差別化の罠」にはまっていると言えると思います。
【プロフィール】うさがわ・けいこ/1994年東京生まれ。早稲田大学卒業後、大手損害保険会社に入社。2018年8月より、就活塾「キャリアアカデミー」に参画し、同社が運営する就活ブログの執筆を務める。https://www.c-academy.co.jp/