芸能

NHK『ラジオ英会話』、3月までテキスト購買数キープのヒット

『ラジオ英会話』の収録風景。出演者による雑談もすべて英語

「今度こそ、英語をしゃべれるようになりたい!」。新生活シーズンの春は、そう一念発起する人も多いだろう。そんな人たちの間で、これなら腰を据えて続けられると熱い支持を得ているレッスンがある。それはNHKラジオの英語番組だ。

 そのスタートは古く、大正15年に遡る。『英語講座』以来、90年以上の歴史を誇り、現在は難易度別に全部で13もの番組がラジオ放送されている。1回の放送は5~15分で、週1~5回、実践的な英語力が身につくよう、プログラムが構成されている。

 なかでも、昨年4月にリニューアルした『ラジオ英会話』は、番組テキストが異例の重版を重ねる人気ぶりで、放送回数を重ねても番組を離れる「離脱者」が少ない。

 NHKエデュケーショナル 語学部ディレクターの伊中珠理さんは、こう明かす。

「『ラジオ英会話』は年度初めの4月から1年間を通してカリキュラムを組んでいるのですが、2018年度版は最終月の3月号の購買数がほぼ下がっていない。これは語学テキストとしては異例のことといってもいいでしょう」

 人気の理由の1つは、昨年4月から同番組の新講師に就任した大西泰斗さんの斬新かつユーモアあふれる授業にあるという。

 今回、大西さんの収録現場におじゃまして、番組作りのポイントについて自ら解説してもらった。

「ぼくら50代以上の日本人に特に多いのですが、『英語を日本語に訳しましょう』という訓練を受けてきたため、英語をまず日本語に置き換えようとするクセがついています。

 しかし、日本語と英語はそもそもの文章の語順が逆。これだと無駄が多いんです。ぼく自身も、英語は大の苦手で、大学に入るまではひとつもしゃべれなかった。だからこそ、そういう日本人特有の無駄を取り払って、みんなが本当にしゃべれるようになる番組作りを意識しています。

『文中に三単現の“s”がなかった』なんて細かい部分に完璧を求める強迫観念は捨てて、一度番組を聴いてみてください」

 英語を学ぶ“快感”を発見できることが、大西さんの授業の大きな特徴だと、スタッフたちも声をそろえる。この『ラジオ英会話』ならきっと、これまでの英語レッスンの常識を変えてくれるはずだ。

撮影/矢口和也

※女性セブン2019年4月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン