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御代がわりの儀式・大嘗祭 支出抑えても費用は27億円

平成の大嘗祭で、悠紀殿に向かわれる天皇陛下(時事通信フォト)

 新元号「令和」も発表され、いよいよ間近に迫ってきた“御代がわり”。現在の天皇陛下は4月30日に退位し、日付が変わるとともに新天皇が即位する。

 4月30日には、退位を国民に知らせるとともに、天皇陛下が最後に国民の代表に会われる儀式である「退位礼正殿の儀」が、5月1日には「剣璽等承継の儀」、「即位後朝見の儀」が行われる。

「剣璽等承継の儀」は、新天皇の即位に伴い、その印として、「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」である三種の神器のうち、草薙剣および八尺瓊勾玉のほか、天皇御璽と大日本国璽(ともに金印)を継承される儀式。「即位後朝見の儀」は、新天皇が即位後、初めて公式に三権の長や国民の代表らに会われる儀式、雅子さまが新皇后になられて初めてのお出ましとなる。

 そして、一連の儀式の中で、特に重要だとされるのが、11月14日、15日に行われる「大嘗祭」だ。

「大嘗祭」とは、即位後初めて、大嘗宮で新穀を神々に捧げ、新天皇自らもそれを食され、国家国民の安寧と五穀豊穣などを感謝し祈念される儀式。新天皇が、古式の宮殿を模した祭舎のなかで行う。新皇后も参加され、深夜にかがり火がたかれるなか、14日の夕方ごろから15日の未明まで行われる。

 大嘗祭の「大嘗宮の儀」を営むため、皇居・東御苑には「大嘗宮」が特設される。大嘗祭が終わるとすぐに撤去されるが、建設費を含めた大嘗祭の費用は約27億円にのぼる。

 平成の時は、悠紀・主基・廻立の三殿を中心とした大小37の建物を回廊で結んだ総檜づくりの壮大な神殿を建設。今回は、公費の支出を抑えるため敷地を約2割減らし、悠紀・主基両殿の屋根を茅ぶきから板ぶきに変更、資材も再利用したりプレハブにしたりする方向で検討されている。

◆御代がわりの儀式での装束

 天皇陛下が退位礼正殿の儀などでお召しになる装束は黄櫨染御袍(こうろぜんのごぽう)と立纓冠(りゅうえいのかん)という冠。皇后陛下がお召しになる装束は五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)という十二単のお着物で髪形は御垂髪(おすべからし)。大嘗祭では、天皇陛下は御祭服を、皇后陛下は白色帛御五衣(はくしょくはくのおんいつつぎぬ)・同御唐衣(どうおんからぎぬ)・同御裳(どうおんぬも)をお召しになる。

 その他参列される男性皇族は燕尾服、紋付羽織袴(モーニングコートも可)など、女性皇族はロングドレス、白襟紋付など。いずれも、勲章着用が義務付けられている。

◆三種の神器とは

 天皇の正当な継承権を持つ人間のみが保有できる神物。八咫鏡(やたのかがみ)、草薙の剣、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)の3つがあり、直接見てはいけないものとされている。剣璽等承継の儀では、草薙の剣の形代(レプリカのこと)と八尺瓊勾玉の2つを継承する。八尺瓊勾玉の実物は皇居に安置されているが、八咫鏡の実物は伊勢神宮(三重県)に、草薙剣は熱田神社(愛知県)に安置されている。

※女性セブン2019年4月18日号

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