ライフ

萩原健一さん死因「間質性がん」 なぜ異変に気づけないのか

亡くなる前日、救急車がマンションに……

3月26日に亡くなった萩原健一さん

 3月26日に亡くなったショーケンこと萩原健一さん(享年68)の死因は、「消化管間質腫瘍」(GIST)という聞き慣れない病名だった。2011年に発症後、病名を公表することなく、8年近くに及ぶ極秘闘病を続けていた。

 GISTとは、胃や小腸、大腸などの消化管(肝臓・膵臓は含まない)の「間質」という組織にできるがんの一種だ。

 発症率は10万人に1~2人と少ないため、「稀少がん」と呼ばれる。発症部位は胃が約70%、小腸が約20%、大腸が5%程度で、日本では年間1000~2000人の罹患者がいるという。高齢者ほど罹患しやすく、60~70代の発症者が多い病気だ。

 病名に冠される「間質」とは何か。NPO法人・稀少腫瘍研究会理事で、兵庫医科大学主任教授の廣田誠一医師(病理学)が解説する。

「間質とは、体内のあらゆる器官や臓器の“隙間”を埋めている組織のことで、それぞれの器官や臓器を支える役割を担っています。

 間質のがんは、消化管で起こるGISTが最も多い。一般的に、胃がんや大腸がんなどの消化器系がんは、臓器の表面を覆う上皮(粘膜)細胞ががん化することで発症しますが、GISTは上皮ではなく、その下層にあり、消化管を動かす働きを持つ『カハール介在細胞』という特殊な間質細胞が悪性腫瘍(肉腫)に変化して起こります」

 GISTは自覚症状に乏しく、患者が異変に気づきにくい。

「胃にできたGISTの場合、腫瘍がかなり大きくなって胃の上皮にまで潰瘍ができ、出血が起きるまで患者が異変に気づかないことが多い。小腸にできた場合にも出血や貧血などの異常が生じますが、それが小腸に由来する症状だとはわかりにくい。中には、腸閉塞が起こって重篤化するまで医師にかからないケースもある」(同前)

関連記事

トピックス

(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン