国際情報

韓国が「盗撮大国」に 日本人旅行者もホテル、トイレに注意

警察に出頭するK-POP歌手のチョン・ジュニョン(Sipa USA/時事通信フォト)

 10連休となる今年のゴールデンウイーク。久しぶりに国外で過ごすという人は多いだろう。数日程度の手軽な海外旅行先として、韓国の人気は引き続き高い。ところが現地では、女性をターゲットにした卑劣な犯罪が横行し、摘発が相次いでいる。ソウル在住のジャーナリスト・藤原修平氏が報告する。

 * * *
 このひと月ほど、あるニュースが韓国で連日報じられている。日本にも進出しているK-POP歌手のチョン・ジュニョンが女性たちとの性行為を隠しカメラで撮影し、SNSのグループチャットを通じて友人と共有していた事件だ。しかも、チャットのメンバーは「人気グループBIGBANGの元メンバーV.I.ことスンリ」や、「実力派シンガーソングライターとして昨年末に日本進出したばかりのロイ・キム」など、今を時めく男性歌手ばかり。彼らの多くが立件されて芸能界引退に追い込まれている。

 それだけではない。4月に入ると “第2のチョン・ジュニョン・チャットルーム”と称されるSNSグループチャットがあることが報じられた。やはり女性たちとの性行為を隠しカメラで撮影し共有していた事件だが、チャットのメンバーには男性歌手や映画俳優、モデルたちがズラリと名を連ねており、韓国社会にさらなる衝撃が走っている。

 一連の盗撮事件で韓国社会が極めて深刻なのは、いわゆる“身内”であってもまったく信用できないところだ。2016年8月に発覚した水泳韓国代表女子更衣室の盗撮事件では、同じく韓国代表に選ばれた男子選手が犯人だった。その選手は2009年から2013年にかけて6回にわたり、万年筆型の小さなカメラを用いて隠し撮りを行っていたという。

 また、昨年9月には、日本でも知られている女優のシン・セギョンと歌手のユン・ボミ(ガールズグループApinkのメンバー)が、人気番組の海外ロケ中、ホテルの部屋でスマホ用補助バッテリーを偽装した撮影装置(盗撮用カメラ)を発見。調べたところ、これを設置したのは番組の撮影スタッフだった。このスタッフは事件発覚前、「俺の補助バッテリーどこいったのかな」などと言い、彼女らの部屋に置き忘れたような素振りを見せていたという。幸いなことに、カメラの発見は設置から1時間後で、韓国全土で知名度の高い2人のプライベートな姿が盗撮されることはなかった。

 盗撮犯のターゲットは身内ばかりではない。今年3月には、モーテルの客室に隠しカメラを設置し、宿泊客のプライベートをネットで生中継していたグループの4人が逮捕された。犯人らは全国10都市にある30か所のモーテルに、803台もの隠しカメラを設置。Wi-Fiを通じてネットに接続し、リアルタイムでカメラの遠隔操作まで行っていた。昨年11月24日から今年3月3日までの約3か月、盗撮動画を有料サイトで生配信し、約700万ウォン(約70万円)を得ていた。隠しカメラはTVや電源コンセント、ヘアドライヤースタンドなどに設置されていた。使用されたカメラは、犯人らが海外サイトを通じて20ドル(2250円)ほどで購入したものだったという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン