過去10年間の本塁打数の推移
◆「こんな打球がスタンドに!?」
とくに激増しているロッテでは、今季から本拠地・ZOZOマリンスタジアムに新設された「ホームランラグーン」が一因となっている。観客席をグラウンド側に最大4メートル拡張し、外野フィールドが狭くなった。
その結果、開幕3連戦では、チームの6本塁打のうち、半数の3本が新設スタンドに吸い込まれた。昨年までなら外野フライでアウトになっていてもおかしくなかった打球だ。
だが、今季の異常事態は、球場の変化だけでは説明できない。変化を最も敏感に感じ取っているのは、他ならぬ選手たちだ。ある現役外野手が語る。
「今季は明らかに飛び方が違うと思う場面がたくさんあります。“詰まったな”とか“(定位置より)前に落ちるな”と思った打球でも、予想より伸びて、下がって捕球する時がある。とくに逆方向(右打者の右中間、左打者の左中間)の打球は伸びる印象ですね。正直、“こんな打球がスタンドに!?”と思うこともあります」
それは打者の感覚にも一致している。7日には、ソフトバンクの主砲・柳田悠岐(30)の第1打席で、直球を振り抜いた打球がフラフラとレフトに上がり、柳田は打ち損じとばかりに「あ~!」と声を上げた。首を傾げながら一塁へ走り出したが、打球はレフトの頭上を越え、そのままスタンドに弾んだのだ。柳田は驚いた表情を浮かべ、球場もどよめきに包まれた。在京球団のコーチはこう打ち明ける。
「昨年までと比べても、打球音が“カーン”と乾いた音になった。甲高い音になったと表現する投手もいます。野手に聞いても、打球の球足が速くなったと言っています」
今季、多くの選手や首脳陣が「打球が飛ぶ」と口を揃えるのは、いったい何故なのか。