──消去法で決まった。

小沢:今考えれば、面白いというか、あり得ない選び方でしたね。もちろん竹下さんや金丸さんに相談したとは思うけど、その会議で事実上決まった。海部さんにしてみれば棚ぼたというか、青天の霹靂というか、ね。

〈「海部総裁」が決まると、最大派閥の竹下派から“お目付役”“影の総理”として幹事長を出すことになった。宇野内閣では、竹下派七奉行(小渕恵三、梶山静六、橋本龍太郎、羽田孜、渡部恒三、奥田敬和、小沢一郎)で長男格の橋本龍太郎が幹事長を務めていたが、参院選大敗で引責辞任したばかりだった。〉

小沢:突然、金丸さんに呼ばれて『お前がやれ』って言われました。でも、僕は(七奉行では)一番若かったから、「梶さんを先にやらせてくれ」と推した。梶さんもその気でいて、「俺が幹事長で、お前(小沢)を育てる」みたいな感じだったから。でも、「駄目だ」って言われたんです。

──金丸から?

小沢:うん。「お前だ」って。それでどうしようもなくて、党本部へ龍ちゃんを訪ねていって、「実は(金丸)会長から、やれって言われたんだけれど……」って相談したら、「まぁ、やるならやれよ」って。龍ちゃんもそう言わざるを得ないけれど、難しい顔をしてたなぁ。

 僕は梶さんとは同期当選だから、それまで一心同体でやってきたんだけど、それで(幹事長になれなくて)梶さんは心が弱っちゃった。僕も困ったけどしょうがないと割り切るしかなかった。

●聞き手・レポート/武冨薫(ジャーナリスト)

※週刊ポスト2019年5月3・10日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン